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たぬきときどきたべるきつね

December 30, 2024 at 3:03 PMv4

タヌキはアイキョウがあるし、『キツネななばけ、タヌキのやばけ』と言って、能力的にキツネよりタヌキの方が強いのはよく知られたジジツである。 まあ、かっこよさとか?ブンヤにおいては、キツネのほうがすぐれているところもないではないが、それでもだいたいタヌキのほうが勝っている。 もちろん、それは『緑のタヌキ』と『赤いキツネ』についても同じことだ。 「赤いキツネと緑のタヌキ」というフレーズも、順番を逆にして「緑のタヌキと赤いキツネ」にすべきなのでは?と思ったりもするのだが、まあ、わたしはおとなだから?普段はあんまりコマカイことは言わないようにしているのだ。おとなだから。 なのに、こいつは。こいつは、わたしに、赤いキツネを食べろという。ふざけんじゃないだぞ!だいたいそもそも日本人と言ったらそばだろうが!ここは関東やぞ?うどん勢力圏のカンサイではないんやで! 「だから、タヌキはないの。キツネしかないの。」 「わたしキツネ食べたことない!」 じゃあ、食べてみればいいじゃん。 と、言いたいところだが、そんなこと言ってもこいつには通じそうにない。  クウフクのあまり、相当気が立っているようだ。たいしぼうが少ないと腹が減った時にめちゃくちゃイライラすると聞くが、どうもそれは本当らしい。しばらくこいつを見ていただけでそれがじじつなのだとよくわかった。ひゃくぶんはいっけんにしかずだ。 「キツネ食べたことない!!キツネ食べたことないんだけど!!!!」 僕はキツネのフタをペリペリ開けると、フンマツスープをサラサラ投入。これ、フクロにフンマツ残ると損した気分になるんだよな。指で念入りにカサカサ。ok、あんまり残ってない。 「キツネ食べたことないって言ってるでしょ!!!!」  僕は容赦なく、お湯を注いだ。 「なんで、お湯入れるんだよお!」 「キツネとタヌキ、そんなに差があるかなあ。」 「タヌキ、10分くらい待つと汁に浸かってるとこがでろでろになって、空気に触れてるとこは少しぱそぱそするんだよ。お湯をヌルメスクナメにするのがコツだ。でろでろおそばと天ぷらを絡めてね。冷えたご飯に乗せて食べると、すっごい美味しいんだ。」 「キツネも、そうやって食べてみたら?」 「は?タヌキの話してるんだけど?」  論争は延々と続き…  キツネは、でろでろになった… 「おいしい?」 「おいしい!!!!」  初めて赤いキツネを摂取した生き物は、でろでろ麺をご飯にちょっと乗せたり、たくさん乗せたり、汁をチュルチュルすすったり、忙しそうだ。 「キツネときどきたべてやってもいい!」  なんなんだこいつ。可愛いやつだ。

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2 Comments

KinomanP

KinomanP 11w ago

夜食、たべたくなりました
僕は液体スープのタヌキ派です

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Cocoli the Liar

Cocoli the Liar 11w ago

わたしは昔この歌のタヌキ至上主義者と同じような感じでしたが、おとなになったのでキツネも割と好きになりました!!!!

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