
恋人は、ある秘密を追っていた。 闇。この社会の闇だ。 触れられるとマズイ情報。 明るみに出ると、この国が揺らぐ。 そのせいで、命を奪われた。 彼から、メモリーを預かっている。 私は一人、残された。 怖くても、逃げられない。 彼が言っていた。元相棒。 写真で一度、見ただけ。 会ったことはない。 行きつけのバー。 雨が、街を濡らしている。 路地を抜け、影を踏む。 息を整え、心を固める。 行くしかない。 背後に、気配が迫る。 闇の中、足音が近づく。 心臓の音が、耳を突く。 逃げなければ、終わり。 扉の向こうに、光が揺れる。 安全かどうかは、分からない。 でも、他に道はない。 私は走り出す。夜を切り裂くように。

