
失われた時の中 未だ夢にまどろむ 何を注ごうが 次々と流れ出す 虚しさで満たされた 埋まらぬ心の穴 大きく開いた空洞 替えが効かぬ欠けたもの 木に我が身を捧げても わたしの片割れは帰らず 欠片をかき集めても 手のひらからこぼれてゆく 智慧を絞ろうとも 壊れた心は直せぬ 白痴の方が楽ではないか 言葉と心を失っても 肉体の痛みは感ずる 偽りの戯言に身を預けたら 平安が訪れるのか 同胞たちよ 心を尽くして慰めようとも あなたがたの涙 拭うことができぬ 心からの祈りも 独りよがりであったか あなたがたの傷は消えぬ 魂はいずこへあるのか 胸に刻まれた 忘れ得ぬ言葉 わたしは何を愛したのか 片割れか同胞か 鳥たちかあなたなのか それとも己だけであったか 人は必ず死ぬ だのになぜ生きるのか いずれ腐った骸となろう 何を守ろうというのか 世の終わりには名も残らぬ どこに戦う理由があるのか 我に子はなし 血も絶えるであろう 哲人のいう永遠には与れぬ 争いのあと、家は跡形もなく 愛は失われ、罪だけが残る 生きる意味は奪われた なるほど生まれ変わりか どうして起こらぬことがわかる 君は来世から来たというのか いくら神を気取っても 時を進めることはできぬ 歴史を遡ったつもりで 誰が過去を見たというのか 畢竟、時は今しか知らぬ 地震、病気、戦争 未だ訪れぬ物事を 恐れているうちはまだよい 狂気の災いは死を願わせる 死にたくても死ねぬとき 真の絶望が訪れる 残りの生は拷問だ 弱者とは誰か 城壁で守られた弱者は強者だ 城から追い出された者 我らはどこへ庇護を求める 城壁の外にいる強者は 城から矢を射かけられる 法とは強者のためにある 強者となった弱者の 身勝手な幸福を守るため 本当の弱者は尊厳も守られぬ 智慧がつくと苦しみも増す 見抜く力があると幻滅する 優しくすると増長する 愚か者は恐怖にしか従わぬ そもそも善悪とは何か 誰が決めたというのか 野の虎は鹿を喰らう それが罪だというのか 飢えた者に施さぬのなら 奪われても文句は言えぬ 強がりを言えば放っておかれ 弱音を吐けば見下される 悲しき人の性 ただ君だけが仮面を暴いた 強い顔に傷を見つけて 弱さの中に志を認めた

