破壊衝動が ときに闇を支配し 腐った肉が血を垂れ流した 壁裏を剥がす刃で この街を最後に所有する 一切が運び出された部屋は もとの部屋なのに風のすみかになって 気化熱のように浮ついた心が 足を止めようとしているが 鍵は永遠に閉じられた 排気音が凄み、無人の冷気が阻もうとするが 無機質な地図を片手に 足跡を新しくしていく 見知らぬ喧騒で目覚め 埃だらけの冷気が吹き寄せ 所有したことのない 青空だけが変わらず存在する この土地の果実を喰らい 風呂に浸かり 二酸化炭素を吐き すべてを垂れ流し 全細胞が入れ替わった頃 記号だった場所に 血が通いはじめる 風のすみか 気化熱のように浮ついた足を 止めることはない


