春泥に沈む足跡 異邦の地に刻まれ 名も無き鐘の響きが 終焉を告げていた 差し伸べた手は確かに 誰かの温度を宿し 救い得たはずの未来は 静かに歪み始める 書き換えられぬ理の下 流転は抗いを拒み 選ばれし者と 選ばれぬ者を ただ無言に分かつ なれど 残るものはある 燃え尽きぬ記憶の痕 届かぬ声を抱え なお歩みを強いられる 誰が為の選別か 答えは示されぬまま 白き炎は揺らめき 祈りすら呑み込み その名を呼ぶことさえ 許されぬ刻の中で 交わされた約束は 灰となり風に散り 救えぬという事実だけが 胸奥に沈み込む 手放したのではなく 掬えなかっただけと 繰り返す思考さえ 虚しく崩れ落ちる なれど 消えぬものもある 焼き付いた光の影 分かたれた境界を 越える術などなく 残された者だけが その意味を背負い続ける なれど 忘却は訪れず あの日の無音の中 言葉にならぬ叫びが 今も胸を裂き続ける 共に在るはずだった時は 還ることなく消えた なれど 終焉ではない 選び残された意味 喪失を抱えたまま なお歩みを刻み続ける 灰の彼方に残るものを ただ繋ぎ留めるために