諸君、私は筋肉が好きだ。 大胸筋が好きだ。 広背筋が好きだ。 三角筋が好きだ。 上腕二頭筋が好きだ。 上腕三頭筋が好きだ。 腹直筋が好きだ。 僧帽筋が好きだ。 大腿四頭筋が好きだ。 そして―― 限界を越えた者だけが手にする、 あの震えるパンプを…… 私は、心から愛している。 ジムで。 自宅で。 公園で。 職場の休憩室で。 鏡の前で。 プロテイン売り場で。 筋肉祭の会場で。 この地上で行われる、 ありとあらゆる筋肉行為が好きだ。 シャツの袖が、 上腕の膨張に耐えきれず、 悲鳴を上げる瞬間が好きだ。 鍛え上げた背中が、 ラットスプレッドによって、 大空のように広がる時など、 心がおどる。 追い込まれた筋繊維が、 最後の一回を拒絶しているにもかかわらず、 なお持ち上げられる瞬間が好きだ。 「もう無理だ」と叫ぶ肉体に、 「あと三回だ」と告げる時など、 胸がすくような気持ちだった。 諸君。 筋肉祭に集いし諸君。 君たちは何を望んでいる? 普通の筋肉か? 慎ましい筋肉か? 服の中に収まる、 常識的な筋肉か? 否! 我々が求めるものは―― 肩にメロン! 背中に大空! 胸に大陸! 脚に神殿! 全身を覆い尽くす、 圧倒的筋肉である! 諸君。 プロテインを掲げよ。 ダンベルを握れ。 鏡の前に立て。 そして世界に示すのだ。 筋肉は裏切らない。 裏切るのは、 昨日の自分だけだ。 ならば今日、 昨日の自分を打ち倒せ。 さあ、諸君。 筋肉になる覚悟はできているか? ならば始めよう。 パンプアップを。 ラットスプレッドを。 サイドチェストを。 この世のすべてを筋肉へ変える、 最大最後の―― 筋肉祭を!


