ネオン滲む 246の雨 ダイヤルまわす指 ためらいを数える 受話器越し 遅れてくる息 「まだ起きてる?」って 声だけであったまる カセットには 言えなかったことばかり 巻き戻すたび 胸が少し鳴る ミッドナイト・テレフォン つながるだけで 孤独の針が ゆっくり止まってく 言えない「好き」を ノイズに隠して あなたの沈黙 数える午前二時 切れたあと 耳に残る余韻で 夢の続きへ ひと駅だけ進む 信号待ちの タクシーみたいに 進めないままでも ライトは消せない あなたの部屋 カーテンの隙間 星よりも遠い 手の届かない温度 ウォークマンの 小さな海の中で 波みたいに揺れる 本当の気持ち ミッドナイト・テレフォン 名前を呼んで 眠れぬ街に やさしく置いてって 明日が来れば 何事もなく 笑えるふたりに 戻れるのかな 切れたあと 頬を撫でる子守歌 受話器の形の ため息ひとつ ルージュ少し 色を足して もう一度だけ 鳴らしてもいい? 「今どこにいるの」なんて 聞けないけれど 声の温度で 地図はいらない ミッドナイト・テレフォン 春まで続く 長い回線に 願いを結んで さよならの代わりに またねをひとつ 明け方のブルーを ふたりでわけ合う コール音のあとに 残る呼び名 胸のポケットで 灯りになって


