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『少し離れた横』

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V5.5

[Intro] チャイムが鳴って 誰もいない席に 午後の光だけ 残ってた ⸻ [Verse 1] いつもの子は 今日は先に帰った 昇降口で 靴ひもを結ぶ 外へ出た瞬間 むっとした空気 サドルが熱くて 少し笑った 商店街を抜けて 一本となりへ 知らない道を 選んでみた 庭先のホースが アスファルトを濡らす 水の匂いを タイヤが切った ⸻ [Pre-Chorus] 角の自販機 低く唸ってる 日陰の猫は こっちも見ない 遠くで鳴り出す 踏切のベル ペダルを止めて ブレーキを握った ⸻ [Chorus] 遮断機の向こうに 同じ制服がいた 知らない子なのに どこかで見た気がした 電車が二人のあいだを 大きな音で通り過ぎる 風だけ遅れて 頬にぶつかった ⸻ [Verse 2] 遮断機が上がって 同時に漕ぎ出した 前でも後ろでもない 少し離れた横 名前も知らない クラスも知らない なのにしばらく 同じ速さだった コンビニの前 工事中の道 曲がるたびまだ 隣にいた 話す理由なんて ひとつもないから チェーンの音だけ 二つ続いた ⸻ [Pre-Chorus] 坂を下ったら 川が見えてきた 制服の背中を 風が膨らませる 信号が青になって また漕ぎ出して 次の交差点が 近づいてきた ⸻ [Chorus] このまま少しだけ 同じ道ならいいな そんなこと思ったのを 自分だけが知っている 何かが始まるわけじゃない 約束だっていらない ただ二台の自転車が 夏の道を走ってた ⸻ [Bridge] 交差点 あの子は右 私は左 それだけだった 振り返らないで ペダルを踏んだ ミラーの端から 白いシャツが消えた 蝉の声だけ 急に大きくなった ⸻ [Final Chorus] 名前も知らないままで 夏の午後を走った 同じ制服の背中が 少しだけ近くにあった 明日すれ違ったとしても 気づかないかもしれない それでもあの交差点まで 確かに二人で走ってた ⸻ [Outro] 冷蔵庫を開けて 麦茶を注ぐ 制服の背中が まだ少し暑い 窓の向こうでは 蝉が鳴いてる あの子ももう 家に着いたかな