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深淵なるソムニフォビア、鏡の向こうの私が目覚める夜に(V6)

V6

皮膚を穿つ 秒針の重低音 不夜城の部屋で 自らを炙り出す 覚醒を貪り 爪を立てた手 滲む紅も 夜の濃度に溶ける 家具の隙間は 這い出す暗い予感 寝台の底から 呼ぶ声の残響 意識の天秤が 傾いてゆく 最後の理性が 黒い幕を下ろす 網膜の最果てで 見つめていたのは 私という器を模した 精神の結晶 歪な眼窩を開き 囁いた 「ようやく会えたね、待ちわびていたよ」 耳鳴りは 止まず 歯車を狂わせる 幾夜を数えても 呪縛は解けず 睡魔という刃が 境界を削り 現と虚構の 地平線が融解する 閉塞された脳に 侵食する影 冷徹な指先が 心に触れてゆく 拒絶を忘れて 抜け殻と化し 戻れぬ深淵へと 静かに埋葬される 網膜の最果てで 嗤っていたのは 私の名前と特権を 統治する結晶 「よく耐えてきたね、わたしが乗ってあげる」 悲鳴は泡と消え すべてが簒奪される 電子音の号令で 光が満ちてゆく 午前7時の静寂を 破り窓を開ける 鏡の中のわたしは 完璧に微笑む 「おはよう世界」  今日から私があなた