
[Intro] One more step Keep moving on まだ知らない 運命へ [Verse] 無理はしない 焦らない この道を行くことが すべてだから [Verse 2] この力も 少しずつ 分かってきたけど 強さより 弱さばかり 見えてしまうんだ [Pre-Chorus] あと少し その間が 重すぎる ひとりなら まだいいけど 答えはまだ 見えなくて [Chorus] Run to the light この先へ まだ届かないとしても この一歩が 何かを 変えていくと信じて 迷いながら それでも歩みを止めない きっと まだ知らない 明日が待っている [Verse 3] 胸の奥で 何かが鳴る 静かに ざわめいている まだ自分には 早すぎると 心に言い聞かせた だけど 見覚えのある あの姿 忘れるはずの ない笑顔 [Pre-Chorus 2] その瞬間 体よりも 心が先に 動き出す もう 考える 暇なんてない [Chorus] Run to the light 君のもとへ 今この瞬間だけは この距離を 縮めてみせる ただそれだけを願う Stand beside you その言葉が 胸の奥で響いてる この一歩は 僕じゃなく 君のためだから [Bridge] まだ足りない まだ弱い それでも 逃げたくない [Build-Up] Overtake... Please... Right now... [Final Chorus] Run to the light この先へ もうためらいはしない この心が 動くなら それだけでいい Don't look back この景色は きっと変わり始める 運命は この出会いで 動き出した [Final Drop] Overtake Synchronize Now or Never Run Forward Encounter [Outro] 【Episode Story】 【第4話・Encounter】 朝日が街を照らしていた。主人公はいつものように薬草を入れる革袋を腰へ付け、ギルドの扉を開いた。 「おはようございます。」 受付の女性は笑顔で軽く頭を下げる。 「おはようございます。」 「今日も薬草採取ですか?」 主人公は少し照れながら笑う。 「はい。まだ僕には、それくらいしかできないので。」 受付も優しく笑った。 「ですが、一週間で依頼を十五件も達成されています。十分立派ですよ。」 主人公は苦笑いする。 「全部薬草採取ですけどね。」 「それでも、一歩ずつです。」 「ありがとうございます。」 主人公は依頼書を受け取る。ギルドを出ながら空を見上げた。 「もう一週間か……。」 この世界へ来て一週間。元の世界へ帰る方法は、まだ見つかっていない。昼は依頼をこなし、夜は安い宿へ戻る。そんな生活を繰り返していた。主人公は小さく笑う。 「まさか異世界で生活するなんて。先週の僕が聞いたら笑うだろうな。」 草原へ向かう道。 主人公は歩きながら剣へ目を向けた。 「あのスキル……。『Overtake』 少しだけだけど、なんとなく分かってきた。」 歩きながら思い返す。最初のゴブリン。その次の日は小さなウサギのような魔物と戦った。さらに数日前は小型の犬のような魔物にも出会った。主人公は一人つぶやく。 「あのうさぎのようなモンスターのときは、いつもより速くなった。ゴブリンの時は速さより力が強くなった。ということは……。相手によって僕の上がる強さが変わる…。」 主人公は立ち止まる。 「Overtake、つまり、相手の力をコピーして……、その力が一時的に僕に足されてるってことなのかな。」 主人公は木陰へ腰を下ろした。 「最初はこれならどんな相手にも負けない!かなりいい能力かと思ったけど…。実際は全然そんなことなかったんだよな…。」 思い返す。 「まず。」 指を一本立てる。 「相手に近付かないと発動しない。だいたい三メートルくらい。」 もう一本立てる。 「しかも。発動まで約十秒かかる!」 主人公は頭を抱える。 「長い!長すぎる!」 思わず一人でツッコむ。 「たった十秒と思ったけど!でもその間、相手は待ってくれないんだけど!」 苦笑する。 「しかも。」 三本目の指を立てる。 「コピーできるのは一体だけ。」 主人公はため息をつく。 「つまり、強い相手に近付いて、十秒間耐えて、やっと発動。」 うなだれながら。 「……いや。普通に怖いよ…。スキルが全くないよりかは全然マシなんだけどさ…。」 その時。 ウサギのような魔物が飛び出してきた!三匹。 「キュイイイ!」 主人公。 「一匹だけなら!」 走る。相手との距離にして約三メートル! 「よし!」 スキル発動まであと少し!しかし、残り二匹が横から体当たりをしてきた。 「うわっ!」 転倒。 「ちょっ!待っ!まだスキル発動してな──」 ボコボコ。主人公は必死に転がりながら逃げる。 「ムリムリムリ!死ぬ!一体ずつ来てよ!」 森の中を全力疾走。宿へ戻った頃には泥だらけだった。 現在。 主人公は苦笑いする。 「本当に危なかった……。複数相手にはまだまだ勝てないな…。」 剣を見つめる。 「だから、今は薬草採取くらいしかできないな。それと、一匹だけ倒せそうなら戦う。」 主人公は腰の袋から小さな青い石を取り出した。 「この魔石。」 キラリと光る。魔物を倒すと出てくるドロップアイテムだ。 「これが結構高く売れるんだよね。薬草だけより生活は楽になる。」 主人公は袋へ戻した。 「無理はしない。もとの世界に戻るまで、まずは、生き残ることが一番!」 次の日、ギルドへ行く途中。突然。街中へ鐘の音が響いた。 カーン!! カーン!! 主人公は足を止める。 「?」 ギルドの前へ人が集まり始める。 「緊急依頼だ!」 「大型の魔物だ!」 「西の森らしい!」 主人公も掲示板を見る。受付が叫んでいた。 「大型魔物出現!討伐に参加できる方は至急準備をお願いします!」 冒険者たちは次々と武器を手に取る。主人公は掲示板を見る。 「大型の魔物……。」 報酬額を見る。 「すごい金額……。」 一瞬だけ心が揺れる。しかし。主人公は首を横に振った。 「いや。今の僕じゃ無理だ。一週間前までただの会社員だった人間が大型魔物なんて倒せるわけない。」 依頼書をたたむ。 「今日も薬草採取だ。」 そう言って街を出て行った。 その頃。街から少し離れた森。 青髪の巫女は静かに木々の間を歩いていた。小さな水晶を手にしながら辺りを見渡す。 「……この辺りに。伝承の通りなら確かに『印』があるはずなのですが…。」 立ち止まる。目を閉じる。風が木々を揺らす。しかし、何も感じない。巫女は小さく息を吐く。 「また……見つかりませんか。」 その時だった。遠くから子供の叫び声が聞こえた。 「た、助けてぇぇーー!!」 巫女は顔を上げる。 「!」 次の瞬間!迷うことなく走り出した。森の奥。そこには巨大な魔物と、小さな子供の姿があった。巫女は杖を構える。 「間に合って……!」 巫女は地面を蹴り、一気に駆け出した。木々の間をすり抜ける。悲鳴が近付く。やがて視界が開けた。小さな広場。その中央で、一人の少女が腰を抜かしていた。目の前には五メートルを超える巨大な魔物。黒い毛並み。鋭い牙。巨大な爪。赤く光る瞳。少女は震えながら後ずさる。 「い……いや……。」 魔物が大きく咆哮した。 「グオォォォォ!!」 大きく振り上げられた腕。巫女は迷わず飛び込んだ。 「水よ!」 足元から水流が巻き上がる。 「アイスランス!」 幾本もの氷の槍が魔物へ突き刺さる。 ガガガガッ!! 魔物は数歩後ろへ下がった。巫女は少女の前へ立つ。 「大丈夫ですか?」 少女は涙を浮かべる。 「お姉ちゃん……。」 「もう大丈夫です。」 巫女は微笑む。 「私が守ります。」 しかし、魔物は傷口を震わせるように咆哮すると、再び立ち上がった。 「そんな……。」 氷の槍は効いている。だが決定打にはならない!魔物は地面を蹴る。 ドォン!! 「速い!」 巫女は横へ飛ぶ。巨大な爪が地面を抉った。 「アイスウォール!」 氷の壁が現れる。バキィィン!!一撃で砕け散る。巫女は息をのむ。 (強い……。今までの魔物とは違います。) 少女は震えていた。 「お姉ちゃん……。」 巫女は振り返る。 「走ってください!森の外まで!」 「で、でも!」 「大丈夫です!早く!」 少女は泣きながら走り出した。魔物が視線を少女へ向けた。 「いかせません!」 巫女は杖を握る。 「アイスランス!」 氷の魔法を放つ! その頃。 主人公は薬草を探しながら森を歩いていた。 「この辺だったかな。」 草をかき分ける。 「あ。これだ。」 薬草を袋へ入れる。その時だった。遠くから大きな咆哮が響く。 「グオォォォォ!!」 主人公は顔を上げた。 「……!?」 続いて、氷が砕け散るような音。 「何だ……?」 森の奥から鳥たちが一斉に飛び立つ。主人公は思わず走り出した。 「誰かいるのか!?」 木々を抜ける。そして目の前に広がった光景に息をのんだ。巨大な魔物。その前に立ちはだかる一人の青髪の女性。少し離れた場所では、少女が泣きながら森の外へ走っていく姿が見えた。 主人公は目を見開く。 「……あっ!」 あの青い髪。見間違えるはずがない。 「あの時の……!」 巫女も主人公へ気付く。 「あなたは……!」 しかし、その瞬間、魔物は標的を巫女へ定めると、大きく咆哮を上げた。 「グオォォォ!!」 巫女は杖を構える。 「アイスウォール!」 巨大な氷の壁が魔物の前に現れる。 だが!――バキィィン!!一撃で砕け散る! 「きゃっ!」 衝撃で巫女は地面へ投げ出された。杖が草むらへ転がる。巫女は苦しそうに起き上がろうとする。 「うっ……。」 足に力が入らない。 (魔力が……もう……。) 魔物はゆっくりと巫女へ近付いていく。 主人公は剣を抜いた。 シャリンッ!! 「危ない!!」 (まだ遠い……!でも!) 全力で駆け出す。頭の中へ文字が浮かび始める。 ユニークスキル 「Overtake」 対象認識中…… 主人公は歯を食いしばる。 「頼む……!間に合ってくれ!!」 魔物が大きく腕を振り上げる。巫女は身を起こそうとするが、動けない。主人公は叫んだ。 「やめろぉぉぉーーー!!」 頭の中の文字が少しずつ変化する。 ユニークスキル 「Overtake」 対象認識中…… 同期開始…… 主人公はなおも走る。 (早く……!早く発動してくれ!!) 巨大な魔物の爪が、巫女へ振り下ろされようとしていた――。


