
消えなかった心
自分の中のなにもかもが止まっている 思考も衝動も暴れようとしているのに どこにも行けない ただその焦燥だけが胸をざわつかせ俺の視界を曇らせる 動くはずのものが 全部 同時にさび付いて止まったまま 何ひとつ流れ出せずに凍り付いている 思考 衝動 感情 どれも出口を失って ただ鼓動だけ 脈だけ 俺を生かしている 頭の中の言葉は 触れた途端に崩れて 意味も消えた それでも一歩 一歩だけでいい 指を動かすんだ 形にならなくてもいい ただ 一行だけでいい 動けない その輪郭のまま 揺るがない意志が 前へ進む力に変わる 走れなくても 少しずつ動き出す ほどけて 歩き出す 止まっていた息が胸を動かす ひらいて あふれ出す 生まれたての血が 世界をめぐる 消えかけて 消えなかった心が また世界を燃やし始める 動き出した一歩 書き出した一行なのに 書いたはずの言葉はすぐに形を失って どこにも行けない 書いても書いても指先から零れ落ちて ただ心だけが苦しい 消して 書いて 消して 書いて 消して 消して消して 結局一歩も動いていない気がしてくる それでも止まりたくなくて 止めたくなくて ただ書くだけ 書くだけ 震える手で書く 進めないままでもいい 書くことに意味があると信じて また一行 一行だけでいい 指を動かすんだ 綺麗じゃなくていい ただ 一行だけでいい 進めなくても 前を向いていたくて 揺れる心のまま 未来へ踏み出して 走れなくても 一歩ずつ歩き出す ほどけて 歩き出す 震えている息が胸を押し出す ひらいて あふれ出す 生まれたての声が 世界をなぞる 消えかけて それでも燃える心が また一歩を 照らし続けている 書けない でも書きたい 走れない でも走りたい 何度折れても それでも書きたくて 今はただ 書きたくて 迷いながらでも 前へ進める 一歩ずつでいい ほどけて 走り出す 震えていた息が胸を突き動かす ひらいて あふれ出す 生まれた声が 世界を変えていく 消えかけて それでも燃える心が この未来を 照らし続けている

