
【題:幽世の泡沫(かくりよのうたかた)】 いにしへより流るる 天之水(あまのみづ) ゆらゆらと 命(みこと)の影を映しけり あはれ この世は仮初(かりそめ)の宿 現(うつつ)と夢の 境(さかひ)も知らず 天津神(あまつかみ) 国津神(くにつかみ) いづこへ帰り給ふや 我が身もまた 塵(ちり)となりて 風に散りなん あな尊(たふと)し 命の火よ ひとひらの光 闇に燃ゆ うつせみの世は 泡沫(うたかた) 寄せては返す 常世(とこよ)の波 高天原(たかまがはら)に響く声 「汝(なれ)、何処より来たりしや」 われ答へず ただ感じる この儚き 息吹(いぶき)の尊さを ああ 幽世(かくりよ)と現世(うつしよ)の狭間にて 幾千(いくち)の我 重なりぬ 消えゆくことこそ 生まるること 終はりは 始まりの扉なり あはれ あはれ 命は巡りて また咲かむ

