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ここは不思議の国

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V5.5

[Intro] 白ウサギに導かれ、 この不条理を苦痛で塗り固め、 誤作動している「正常な」世界へ、 迷い込んだ少女がまたひとり…。 [break][Interlude] [Verse 1] 少女が私を見つけ、あなたは誰?と問いかけました。 私は少し笑って答えます。 今のキミには、何者でもないよ。 茶トラ猫でも、笑うネコでも構わない。 みんなはチェシャ猫と呼ぶけど。 その方が何かと都合がいいからね。 名前は便利なものさ。必要になれば、自然と付いてくる。 ところで、キミの名前は? …いや、私にとって、まだその他大勢と差がないキミは、ただのキミで十分だね。 そう言うとキミは、少し悲しそうな顔をするのでした。 [break][Interlude] [Verse 2] 少女は少し困った顔で、正しい方を選びたいと話しました。 私は少し考えて答えます。 …正しい方か。 右か左で迷っているようだけど。 真っ直ぐや後ろは本当にないのかな。 抜け道や見えてない道はないのかな? どれも選ばないという道もあるかもしれない。 そもそも、それは今、決めなければいけないことなのかな。 急いで決めることが、正しいとは限らないからね。 そう言うとキミは、さっきより分からなくなったようでした。 [Chorus 1] どっちへ行けばいいのかって? それは、どこへ行きたいかによるね。 どこでもいいなら、どっちへ行っても同じさ。 歩き続けていれば、どこかには着くんじゃない? [break][Interlude] [Verse 3] 少女は、みんなと同じでいたいと話しました。 私は首をかしげて答えます。 集団は便利なものだよね。 一人で全部考えなくてもいいからね。 でも、不思議なんだ。 みんなと同じでいたいと言いながら。 今度は誰よりも特別になりたがる。 目立ちたくて選んだ特別は、誰かと似たものだったり、違いを求めて行く先は同じ場所だったりする。 協調と個性ってなんなんだろうね。 そう言うとキミは、苦笑いを浮かべるのでした。 [break][Interlude] [Verse 4] 少女は、幸せになりたいと話しました。 私は少し笑って答えます。 幸せかい。素敵な言葉だね。 でも、不思議なんだ。 みんな同じ言葉を使うのに。欲しいものも、嬉しいって感じるときも違ってる。 手に入れた後で幸せだったと気付くこともあれば、手放したあとにあれは幸せだったと感じることもある。 幸せは見つけることも、気付くことも、 拾うことも、作ることも、買うこともできるんじゃないかな? そう言うとキミは、何を求めていたのか考え始めるのでした。 [Chorus 2] ここじゃみんな狂ってるのさ。 私も狂ってるし、キミも狂ってる。 どうしてキミが狂ってるってわかるのかって? そうじゃなきゃ、ここへ来るはずがないじゃない? [Bridge] 人は 見つけられるように名前を 考えるために正しさを そして、みんなで探せるようにしたのかな? 名前で世界を眺めて。正しさで道を選んで。誰かと並んで歩いて。 そうやって人は、幸せを探しているのかもしれないね。 ……面白いね。 [outro] 不条理を苦痛で塗り固めた世界。 誤作動しているのに、正常だと呼ばれる世界。 でも、それは… ただの、不思議の国なだけかもね。