
雪を裂いて 息を殺して 月を避けて 影を重ねて 足音消して 想い隠して それでも瞳は 嘘を拒んで 抜いた刃に 月が宿って 白い吐息が 夜にほどけて 「来ると思った」 あなたは笑って わたしも静かに 切っ先向けて 斬れば終わる 逃げれば追われる 戻れば失う 進めば壊れる それでも二人 帰れぬのなら せめてこの夜に 答えを選べ 愛してるから 斬れない 斬れないから 帰れない 帰れないなら もう逃げない あなたの前では 嘘つけない 雪が乱れて 月が揺らいで 花が千切れて 夜を染めて 刃を合わせて 心を隠して 咲いては散りゆく 乱れ雪月花 刃を返して 肩を掠めて 髪を揺らして 頬をかすめて 一歩踏み込み 一歩離れて 近づくほどに 胸が離れない あなたの癖なら 全部知ってる 次の一太刀も 全部読めてる だから避けられる だから斬れない 互いの命だけ 奪いきれない 斬れば戻れる 戻れば別れる 逃げれば二人 この世に背く 遠くで松明 雪野を染める わたしたち二人を 裁きに来る 「……もういい」 刃を下ろした あなたも下ろした 言葉はいらない 答えもいらない 今さら何を 恐れるだろう あなたを斬るより 世界を敵にする あなたを斬らない もう迷わない 帰れなくても 構わない 追われるのなら 共に逃げよう 逃げきれぬなら 共に戦おう 雪を蹴散らして 月を背負って 花を巻き上げ 刃を並べて 百の追手が 道を塞いでも この手だけは もう離さない 愛してるから 生きていたい あなたと明日を 奪い取りたい 白く 紅く 夜を乱して 二人で駆ける 乱れ雪月花

