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「を」 乙姫 🍃彩葉集

陸に積み重ねられたる叡智 修めし技を人は持て余しけり 惜しむ暇なく消え失せし大地 斧振る如く かつて海面裂けり 小舟の海人が覗き見たるは海の底 をかしき深海の館ぞあはれ 現とは覚えざるや 貴き男 女呼べり 「此方へおはせ 案ずるなかれ」 「踊らむや いざ 魚の如くに」 穏やかなるかな 揺蕩ひける様 「教はりしはかくてはならなくに をこつりならむ 夢現の狭間」 乙姫曰く 「誤りたるは汝なり 緒は皆海より起こりまた海に還りたり」 陸に積み重ねられたる叡智 修めし技を人は持て余しけり 惜しむ暇なく消え失せし大地 斧振る如く かつて海面裂けり 小舟の海人が覗き見たるは海の底 をかしき深海の館ぞあはれ 現とは覚えざるや 貴き男 女呼べり 「此方へおはせ 案ずるなかれ」 「踊らむや いざ 魚の如くに」 穏やかなるかな 揺蕩ひける様 「教はりしはかくてはならなくに をこつりならむ 夢現の狭間」 乙姫曰く 「誤りたるは汝なり 緒は皆海より起こりまた海に還りたり」 をかにつみかさねられたるえいち をさめしわざをひとはもてあましけり をしむいとまなく きえうせしだいち をのふるごとく かつてうなづらさけり をぶねのあまがのぞきみたるはうみのそこ をかしきしんかいのやかたぞあわれ をつつとおぼえざるや とふときをのこ をみなよべり こなたへおはせ あんずるなかれ をどらむや いざうをのごとくに をだやかなるかな たゆたひけるさま をしはりしは かくてはならなくに をこつりならむ ゆめをつつのはざま をとひめいわく あやまりたるはなんじなり をはみなうみよりおこり またうみにかえりたり 現代語訳: 地上では科学や文化が発展したが 人はそれらの英知を持て余していた そして突然大地が消え失せた まるで斧をふるうように海面が割れて…… ある日、小舟に乗った漁師が海を覗き込むと 海底に不思議な館が見えた まるで現実とは思えない高貴な男の姿 女は海の底から漁師を呼んだ「こっちへおいで 心配ないから」 「踊りましょう ほら、魚のように」 乙姫は穏やかに揺蕩いながら言った 「こんな世界があるなんて聞いたことない」と漁師 「私は騙されているのかもしれない この幻の世界に」 乙姫は漁師に言った「あなたは間違っています 命は海から生まれたのですよ。そして、また海へと還ってゆくのです」