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風鈴の君

V5.5

真夏の田舎 澄み切った空気 風が風鈴を 鳴らす セミの鳴き声 大きな青空 釣竿片手に自転車を漕ぐ 麦わら帽子に 焼けた肌 透明な渓流 のそばで 君と 鮎釣り 足を滑らせて 川に落ちては 笑いあった いつまでも どこまでも こんな時間を続けられればいいのに 思い出は 君と一緒に飲んだ ラムネのガラス玉のように 青く 輝く 真昼の太陽 体を冷やす スイカ 縁側に座って 食べたね ゴムのサンダル 日に焼けた跡 全てが とても愛おしい 虫かごの中のカブトムシ 君と一緒に捕まえに行ったね あの日の 思い出は記憶のどこか 小さな宝箱のなかに 仕舞ってる いつまでも どこまでも こんな時間が続くことはないから 思い出の 熱はグラスの 氷のように消えて 遠く遠くなっていく たまに思い出す蚊取り線香の匂い 雨上がり空にかかる大きな虹 僕の心をまた引きずり込んでゆく 水と土の残る原風景が 今年は 僕を 呼んでいる カエルの鳴く夜 寝室に吊るす 蚊帳 風が風鈴を 鳴らす 線香花火が 小さく輝いて あの日の君を忘れるように 光を落としてゆく いつの日か またいつか あんな時間を続けられればいいのに 願っても 届きはしないな 夏風に揺らされる 風鈴の音に全て流されてゆく 浴衣ではしゃぐ 子供達の声 神社に響く 祭囃子 夜空に咲く 大輪の花は あの頃の思い出を照らす 目の前に君がいた 風鈴が綺麗に なった