【1番】 目覚めた場所は 知らない部屋 窓の外には 青い月 壁に刻まれた 無数の名前 その中に僕の名前はない 廊下を歩けば 足音ひとつ 僕の後ろを ついてくる 振り向いても 誰もいない なのに足音は 近づいてくる 「ここはどこ?」と叫んだら 壁の向こうから 笑い声 聞き覚えのあるその声に なぜか涙が 止まらない 【サビ】 出口を探して 走り続けた 扉を開けても また同じ夜 誰かが僕を 呼んでいる なのに名前だけが 思い出せない 帰りたい 帰りたい 何度願っても 空は閉じたまま この世界から 消えたいのに なぜか僕は 消えられない 【2番】 街の人たちは 僕を見て 悲しそうに 目を逸らす 「助けて」と声をかけても 誰も僕には 触れられない 古い時計塔の 地下室で 一冊の本を 見つけた そこには毎日の出来事が 一日も違わず 書かれていた ページをめくる 僕の手が 突然そこで 止まった 最後のページに書かれていた 「明日、彼は帰ってくる」 【2番サビ】 帰る場所なんて 知らないのに 「帰ってくる」と誰かが言う 僕を待っている人なんて この世界にはいないはずなのに 鐘が鳴る 夜が明ける 街の景色が 崩れていく 初めて見つけた 白い扉 その向こうから 僕の声 「やっと帰れるね」 【ラスサビ】 扉を開けた その瞬間 眩しい光に 包まれた そこには僕が 立っていた 僕と同じ顔で 笑っていた 「遅かったね」 そう言った僕が ゆっくりこちらへ 歩いてくる そこで初めて 思い出した この世界に閉じ込められたのは 僕じゃなかった 【アウトロ】 僕が扉の向こうへ逃げ込んだ あの日からずっと ここに閉じ込められていたのは―― 世界のほうだった。


