窓辺に残る冷たい朝と ほどけかけた髪の匂い 触れれば壊れそうなまま 静かに季節が流れていく 言葉にできないものほど 胸の奥に沈んでいく 透き通るその横顔を まだ上手く見られない 消えてしまいそうなくせに どうしてこんなに眩しい 揺れる花びらのように 確かにそこにいたのに 風が通り過ぎたあと 少しだけ熱を残した 戻れない時間の中で それでも手を伸ばしてしまう 儚さに触れたままで まだ立ち尽くしている 白く霞んだ午後の空に 小さな鳥の影が揺れる 何も言わないままでも 分かり合えた気がしていた 優しさは時々 痛みより残酷で 気づかないふりをしても 心だけ追いかけていく 綺麗なものばかりが 静かに遠ざかっていく 淡く溶けていくように 景色が色を失っても 確かに触れていたこと それだけは消えない 叶わない願いだって 抱えたまま歩いていける 可憐なその残響が 今も胸を揺らしてる 夜が来るたび 少しだけ思い出す 閉じ込められなかった 光の断片を 揺れる花びらのように 短い季節の中で 確かに息をしていた その美しさのまま 言葉にならなくても 忘れられなくてもいい 儚さを抱いたまま 明日へ歩いていく 淡い光の中で まだ風だけが揺れていた