二人の側に光りがぱあっとあふれ、二人はまぶしげに目を細めた。そこに現れたのは、見たことはないが、よく知っている気もする男である。 長い髪の男は優しげに微笑んでいた。 「あ、もしかして、ガーベラ様?」 「ガーベラ様だ!」 美しい相貌にはガーベラの面影があった。二人のゆりはガーベラに近づいた。 「やあ、二人とも」 ガーベラが両手を広げていたので、二人のゆりは勢いのままガーベラに近づいた。 「やっぱりステキー」 「想像以上にステキ!」 二人ともはしゃいだ様子である。ガーベラは女の時よりも背が高く、すらりとした体つきだった。そして優しい顔つきである。 「女に戻る前に、一度顔をみせたくてね」 ガーベラが言った。 「もう戻っちゃうの?」 「ずっと顔を見ていたい。あ、さっきオルガに出会って、秘密を話しちゃったの」 「オルガに聞いたよ。ま、オルガは怒らないだろう。今度会いに行ってあげたら?」 ガーベラは二人のゆりを抱きしめながら言った。 「あーだめ、ひっついたらもう離れられない」 「魅力的すぎる」 二人のゆりの心はキュンキュンしまくっていた。心のドキドキが止まらない。逆にドキドキしすぎて心臓の方が止まってしまいそうである。 ゆりは二人ともガーベラにひっついたままである。磁石のようにひっついたら離れられない感じである。ガーベラは女の時と同じように、花の良い匂いがした。 ガーベラは二人の頬をなでた。 「二人とも覚悟して、僕に出会ったからには、昇天してもらうよ」 「「えー!」」 明らかに期待に満ちた「えー」である。 ガーベラは黒目のゆりにまず口づけた。黒目のゆりは3秒唇を合わせるだけで体中の力を抜かし、ガーベラは地面にゆりを寝かせていた。続いてガーベラはわくわく顔の 蛇の目のゆりにも口づけた。こちらのゆりも、5秒ももたずに意識を失ってしまった。二人とも幸せそうな顔で寝転んでしまった。 「二人とも、もっと魅力的におなり」 ガーベラは二人の右胸の上辺りを、指で何かの絵を描くようになぞっていた。 翌日目覚めたゆりは、なんだかすごく幸せな夢をみた気分だった。 「あーん、ガーベラ様ー! やっぱりステキだったあ!」 ゆりはしばらくベッドの上で悶絶していたのだった。


