冷たい囹圉 コツコツと近づく訃音の調べ 来るな来るなと暗夜に心願 今宵も奥歯を鳴らし眼前に陥る 臥所の灯り 揺ら揺らと 天井の影法師遊ぶ親子共々 小さい幸せ嚙み締め乍ら 逢魔が時が暗闇に落ちる 寂寞の中這い寄る魑魅魍魎 千歳飴を舐めながら その子の背後に 炯々なる眼光 狂気に堕ちる 轟く絶叫 飛散する鮮血 燦々輝く影法師 心音寂々たる空虚の団居 薄ら意識に異相の輩 人で無しから零れる薄ら笑い 夥多の鮮血に溺れる 彼岸花の散華 頬に手を翳す 慟哭を感じながらほくそ笑む 怨恨無き快楽道中 人外たる血眼は 喘鳴し乍ら  天井に這い蹲り 影絵が焼き付く 嘗ての泡沫に舌舐り 又もや薄ら笑い 然し最早 鉄格子の内 まだかまだかと白昼に心願 永劫出さぬと極刑を宣う 嗚呼そうかと思い返す 喜悦を噛み殺しながら寂寞に返す 人で無しが詠う讃頌 懺悔とは程遠く 心音震天たる空虚の団居 薄明の刻が滾々と過ぎ去る 人で無しから零れる薄ら笑い 冷たい地べた這いずり回り 三途の音色 耳に手を翳す 余韻に浸り乍ら跪座に着く まだ来ぬ黄泉のお告げ もう一度もう一度と嘆く 喘鳴し乍ら壁に影絵を模す 娑婆の日差し 鉄格子が影を成す またコツンコツンと近寄る 訃音の調べは這いずり回り より一層 響き渡り残響 甲声は立ち止まり鉄扉が開く 人で無しから発する絶叫 冷たい地べた這いずり回り 三途の音色は眼前に 五臓六腑より血が落つ感覚 遂に発す看守のお告げ 現を抜かす逃避譫妄 嫌だ嫌だと嘆き涎が滴る 引き摺る四肢 余韻は消え失せる 眼前には麻袋 軋む絞首台 終に時が来るコツコツと 遠くで鳴る衣擦れの音 それが最期