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神之匣

V6

白きひとすじ 月の糸 まぶたの裏まで 織り込めば 帰らぬ声も 眉(まゆ)のなか 開けてはならぬ 神の箱 朝露を飲む 白き体 光の隙間を 這う指先 柔らかな箱に 包まれて 知らぬ空だけ 夢にみる この身をつむぐは だれの指 ほどけば消える 命の形 母なる神の ゆりかごか それともだれかの 墓だろう 切れぬ絆を 美しいと呼ぶ 白い繭から あふれる光 育むことと 奪うこと 同じ手のひら 同じぬくみ 羽を広げて 空を知らない それでもあなたの 指を待つ 愛と呼ぶなら 愛なのでしょう ほどけぬ糸に くちづけを 桑の葉揺らす 風の音色 ひと夜の夢を 紡ぐ夜 生まれたことさえ だれのもの 白い世界に 声はない 命をつなぐ その手から 命を受け取る その手から こぼれた願いも 糸となる あなたの指へと からみつく 切れぬ絆を 美しいと呼ぶ 白い繭から あふれる光 守ることと 奪うこと 同じ手のひら 同じぬくみ 羽を広げて 空を知らない それでもあなたの 指を待つ 呪いと呼ぶなら 呪いなのでしょう ほどけぬ糸を 抱きしめて ねえ あなたは わたしを 美しいと 思うのでしょう ねえ わたしは あなたを なんと呼べば いいのでしょう ほどいて ほどいて それでもなお あなたの手から 生まれたわたし 切れぬ絆を 美しいと呼ぶ 白い繭から 夜明けがにじむ 育てることと 奪うこと 同じ手のひら 同じぬくみ 羽を広げて 空を知らない それでもあなたの 指を待つ 愛と呼ぶなら 愛なのでしょう 呪いと呼ぶなら 呪いなのでしょう 白きひとすじ 月の糸 まぶたの裏まで 織り込めば 切れぬ絆を 美しいと呼ぶ