
ぽつり ぽつり 雨が記憶を濡らしてく 今宵も誰かが 夜へと消える 和傘 揺れる雨灯り 刹那に染まる路地裏 開ききった心の奥 止まらないのは時ばかり いざ宵々 おいでなさい 雨宿り 宿りなさい 乱れ髪のその隙間 誰かの視線が揺れている 見ないで 見ないで その瞳に捕まるから 帰れない 帰れない 雨の向こうへ連れてゆく 宵闇に咲く彼岸花 微笑む君は誰なのか 見ないで 見ないで それでも目を逸らせない 邪尾の目模様の雨の道 手を引かれて夜を往く 人ならぬと気づいた頃 心はすでに奪われた いざ宵々 おいでなさい 雨宿り 宿りなさい 濡れた指先 触れたなら 戻れぬ夢へ堕ちてゆく 来ないで 来ないで そう願うほど惹かれてく 戻れない 戻れない 雨の帳に飲まれてく 宵闇に咲く彼岸花 優しく君は笑うだけ 来ないで 来ないで それでも手を離せない ぽつり ぽつり 消えてゆく足音 気づけば傘はひとつだけ 見ないで 見ないで その瞳に捕まるから 帰れない 帰れない 雨の向こうへ連れてゆく 彼岸の風が吹くたびに 君の名前を探してる 見ないで 見ないで それでも君を見ていたい 和傘ひとつ 雨だけが知っている

