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⑤WHITE MOON ( b/n LIVE2026 )

V6

白すぎる月が 今夜は少し近い 風もないのに カーテンだけが揺れた いつもの道を歩いてる いつもの街のはずなのに 信号の赤が滲んで 影だけ長く伸びていく 誰かの足音 遠くで ワタシの歩幅と重なった 振り向いた先には何もない それでも 気配だけ残った 見慣れた景色の隙間から 知らない夜が覗いてる 気のせいなら それでよかった だけど今夜は 月が明るすぎる 月が綺麗だなんて 今夜は少し笑えない 見えなかったものまで 白く照らしてしまうから 知らないままでいたなら それでよかったのかもね でももう この夜の輪郭を ワタシは見てしまった 閉じた窓に映る顔が ほんの少し他人に見えた 触れれば消える錯覚なら こんなに鮮やかじゃない 遠くでかすかに 音が鳴る ひとつだけずれた響きのまま 澄んだはずの その調べが なぜか胸をざらつかせる 朝になれば消えるものと 決めつけるには遅すぎた 怖いなんて 言葉じゃ足りない 綺麗だから 目を逸らせない 月が綺麗だなんて 今夜は少し笑えない 誰も知らない傷まで 白く浮かべてしまうから 触れなければよかったと 思えたなら楽だった それでも この夜の向こう側を ワタシは知ってしまった 世界はたぶん 何も変わってない コンビニの灯りも 眠らない道路も 誰かの笑い声も 遠くのサイレンも 全部 昨日と同じ なのに ワタシだけが 少し違う場所に立っている 白い光が 境界線をなぞっていく 消えないなら それでもいい 見えたものまで 嘘にはできない 月が綺麗だなんて 今夜はやっぱり笑えない それでもこの光から もう目を逸らしたくはない 知らないままでいたなら 少しは楽だったのかもね でも今 この夜の輪郭を ワタシは見ている 朝が来れば 街はまた眠ったふりをする ワタシもたぶん 何事もなかった顔をする それでも 窓の向こう 薄れていく月だけは まだ そこにいる