[Chorus 0] 冷やし中華はじめました 君を失くした夏も来ました 貼り紙だけが得意げに 商店街で笑ってた 好きって言葉も冷えたまま それでも夏ははじまった [pause for a beat] [Verse 1] 扇風機だけが首を振る 六畳半の昼下がり 洗い物なら山のまま 卵を焼けばまた破れた コンビニ帰りの坂道で サンダルの音が間抜けだな 君の好きだった店先に 赤いのぼりが揺れていた [Pre-Chorus 1] 酸っぱいたれの匂いだけで 思い出すのはずるいよな 別れたくせに腹は減る 人間らしくて嫌になる [Chorus 1] 冷やし中華はじめました 君のいない夏も来ました きゅうりみたいに細い意地 ハムみたいな嘘を重ねた 好きって言葉を飲みこんで 僕だけ夏に置いてかれた [pause for a beat] [Verse 2] 駅前の古い中華屋で 水のグラスが汗をかく 隣の席の恋人が からしを混ぜて笑ってる スマホを見ては伏せてみる 通知なんて来るはずない 君の名前を消したのに 予測変換がまだ優しい [Pre-Chorus 2] きんし卵の黄色さに 負けたみたいな午後三時 平気な顔で麺をすする 涙じゃないよ 酢がしみた [Chorus 2] 冷やし中華はじめました 君を忘れる夏にしました トマトみたいに赤い未練 氷の音でごまかした 会いたいなんて言わないで 少し大人のふりをした [pause for a beat] [Verse 3] 夕立ちが来る予報だけ なぜか今日は当たらない アスファルトから湯気が立つ 僕の強がりみたいだった うまく割れない割り箸の 片方だけが短くて 君と僕みたいだなんて 安い例えで笑えたよ [Pre-Chorus 3] 夏は勝手にはじまって 恋も勝手に終わるけど 店の貼り紙ひとつにも 胸を刺される日がある [Chorus 3] 冷やし中華はじめました 君を笑える夏にしました からしみたいな寂しさも 混ぜてしまえば味になる 好きだったことは消さないで ちゃんと僕の夏にした [pause for a beat] [Bridge] もしもどこかの街角で 同じのぼりを見たのなら 君も少しは思い出せ あの店の水のぬるさを 恋は終わってしまったけど 季節は律儀に巡るから 僕は今年も席につく ひとり分だけ注文する [Big Finish] 冷やし中華はじめました 僕の新しい夏にしました 皿の底まで食べ終えて 空の青さに気づいたよ 好きだった君にさよならだ すっとすずしい風が吹き抜けた [Outro] また来年もきっと来る 貼り紙みたいな夏が来る [End]



