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ココアパウダーとオーバーサイズ

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V5.5

土曜日の午後 予定狂わせた雨 お気に入りのミュールが 悲鳴をあげてる 「風邪ひいちゃうから、寄っていきなよ」なんて ずるいよ、その優しいトーン 見慣れないキーホルダー 初めて入る、あなたのワンルーム 少し男の子の匂いがして 急に息がうまくできなくなる 「なんか飲む? コーヒーでいい?」 頷くのがやっとの私に あなたは気付いているのかな 左胸のカウントダウン シャワーの湯気に 本音を隠して 借りたTシャツは 少し大きすぎる 袖をきゅっと握りしめたまま ドアを開けるのが ちょっと怖いよ ねえ、このあと私はどうしたらいい? 時計の針の音だけが 響いてる 濡れた髪から シトラスの香りがして 鏡の前の私 なんだか別人みたい すっかり温まったはずの指先が なぜか少しだけ 震えているの 「熱いから気をつけてね」 差し出された湯気の向こう あなたの瞳と視線が合う 逃げ出したいほど 愛おしい 冷めないうちに 温もりを分けて ソファーの距離は あと20センチ どこに座れば正解なのかな 冗談っぽく笑ってみせるけど ねえ、このあと私はどうしたらいい? 雨の音が二人を 閉じ込めていく ただの友達? それともその先? 言葉にしたら 壊れてしまいそうで 窓を叩く雨粒が 私の背中を そっと押してくれたらいいのに シャワーのあとの 秘密の時間 借りたTシャツの 裾をそっと引っ張る 「ねえ」って呼んだ私の声を あなたは優しく 包み込んでくれた もう、どうしたらいいか分からなくても この雨が上がるまで 側にいさせて コーヒーの湯気が ゆっくり消えていく 雨の週末 二人の距離が そっと重なる