
女の子っていつもそうですね
「ねえ、また聞いてくれる?」 「……うん、いいよ」 枕もと ぱっと光る 「またケンカした」の七文字 寝ぼけたふりで「もしもし」 待ってたなんて ばれないように 「もう別れなよ」が喉まで来て 「つらかったね」にすり替えた 泣き声まじりの「ありがとう」 ちょっと嬉しい 私が嫌い 「大丈夫」を繰り返す 大丈夫じゃないのは私 彼とケンカした夜だけ 君の声をひとり占め 女の子っていつもそうですね 恋じゃないのに手をつなぐのね 女の子っていつもそうですね 「いちばん好き」ってすぐ言うのね ねえ 恋の相談するなら こっちの身にもなってよね 私だって女の子だよ 君を好きな女の子だよ 「仲直りした!」朝の通知 「よかったね」って打ち返す ほんとだよ ほんとだよ なのに胸だけ置いてけぼり 「ピンクとベージュ、どっちがいい?」 リップを二本 並べる君 「ピンク、白いワンピに合うよ」 「デートで使う!」……そうだよね 「親友」って呼ばないで ……ううん、呼んでいて 君がそう呼んでくれるなら まだ隣にいられるから 女の子っていつもそうですね 恋じゃないのに腕を組むのね 女の子っていつもそうですね 「大好き」なんてすぐ言うのね ねえ 恋の相談するなら こっちの身にもなってよね その「好き」が嘘じゃないから 私の「好き」は行き場がない 「泣かないで」って言いながら もう少し 泣いててと思った ひどいね ひどいね ひどいのは私だね 白いワンピ ピンクのリップ 鏡の前で はしゃぐ君 「似合う?」って振り向くから 「……うん、すごく似合う」 私が選んだ その色で 私じゃない人に 会いに行く 女の子っていつもそうですね 泣いた次の日 笑うのね 女の子っていつもそうですね 「ずっと親友」って笑うのね ねえ 恋の相談するなら こっちの身にもなってよね ……なんて一度も言えないまま 「うん、もちろん」って笑うのね

