
イエティはカナヅチ -Kathmandu Calling-
[Verse 1] 轟音立てて氷が落ちる 山の機嫌は最悪だ 白い濁流 谷を呑み込み 吊り橋一本 宙を舞う そのとき森から飛び出した 全身真っ白 雪男 誰より立派な胸板なのに 川を見た途端、腰が抜けた! [Verse 2] 濁流迫るカトマンズ 土産物屋も流される 偽物イエティのぬいぐるみだけ 本物より先に泳いでく 観光客なら写真を撮るが 今日はカメラも水の中 「伝説の怪物発見!」より 「誰か浮き輪を持ってこい!」 [Pre-Chorus] 雪山育ちで寒さに強い 吹雪の夜にも裸足で平気 だけど水泳の授業はなかった ヒマラヤ山中、プールがない! [Chorus] イエティはカナヅチ! 毛深いくせに浮かばない! イエティはカナヅチ! 犬かきさえも分からない! 氷の上なら王様なのに 氷が溶けたら非常事態 救命胴衣はXLでも小さい Kathmandu is drowning and Yetis live by the river [Verse 3] 一本のロープに群がって 白い巨体が鈴なりだ 一匹乗るたび橋が沈み 二匹目乗ったら橋が消えた 自称・山岳救助のプロも クロールだけは門外漢 エベレストなら登れるくせに 水深二メートルで遭難だ! [Pre-Chorus] 雪崩をかわして崖を飛び越え 凍った岩壁 素手で登る ところが川辺で足首濡れたら 遺書を書き出す雪男! [Chorus] イエティはカナヅチ! 毛皮が水を吸ってゆく! イエティはカナヅチ! 天然素材の重い服! 氷河の主と呼ばれていても 水泳能力、ほぼゼロ点 伝説より先に浮輪をよこせ Kathmandu is drowning and Yetis live by the river [Verse 4] 軍のヘリコプターがやって来た 救助の梯子が降りてくる 一匹つかまり歓声上がる 毛がローターへ吸い込まれる! 坊主頭になった雪男 少し小さく見えてきた ついでに体重も半分になり ようやくボートに乗せられた しかし安心するのは早い ボートの底から嫌な音 鋭い爪が穴を開けて 全員まとめて振り出しへ! [Breakdown] 氷河が崩れる! ——走れ、イエティ! 川幅が広がる! ——逃げろ、イエティ! 橋が流される! ——跳べ、イエティ! 足場が消えた! ——泳げ、イエティ! 「泳げない!」 何だって? 「泳げない!」 雪男だろ! 「雪と水とは別物だ!」 国際支援のゴムボート 定員六名、乗ったの二頭 重量オーバーで五秒後 潜水艇へと用途変更! 祈りの旗は風に踊り 非常ベルは鳴りっぱなし 神様どうか助けてくれ できれば浮輪も送ってくれ! [Final Chorus] イエティはカナヅチ! 伝説だって溺れます! イエティはカナヅチ! 見た目ほどには万能じゃない! 牙を剥く山 暴れる河 毛むくじゃらにも容赦なし 神話も歴史も流されてゆく Kathmandu is drowning and Yetis live by the river イエティはカナヅチ! 流木だけが頼みの綱! イエティはカナヅチ! 救助隊には内緒にしろ! 世界の果てまでニュースは走る 「雪男、水には弱かった」 不名誉な見出しも生きてこそ読める Kathmandu is drowning and Yetis live by the river [Outro] 洪水が去った翌朝に 泥まみれの谷へ陽が昇る 命拾いした雪男たちは 山の頂へ帰ってゆく そして村には新しく 屋根付きプールが建てられた 第一回目の水泳教室—— 参加者ゼロ! イエティはカナヅチ! イエティはカナヅチ! Kathmandu is drowning And Yetis live— by the river!


