
ハシビロコウの午後
ハシビロコウの午後 -Lyrics- [Verse 1] 平日の休日 窓に映る朝 アオガラの時刻 気分のまま外へ出る 背筋伸びる冷気 低い光が心地いい 車窓から見慣れた 小山の散策路へ入る 人の気配はなく いつの間にか 空は低く沈んでいた 灰緑の中 緑鳥の赤い斑だけが 浮いている 分かれ道 選ばずそのまま進む 持ち物は いつも数が合わない [Verse 2] 視界がひらける 灰色の池 水鳥たちが ただ浮かんでいる 手すり越し 水辺を向く影に声をかける 「水鳥ですか」 [Pre-Chorus] ハシビロコウが振り返る 「オオタカ狙い 帰りたいからね」 値踏みするような視線 黒いカバンの中 畳まれたカワセミ [Chorus] 「午後は緑になる 青を採るなら朝だ」 顔を上げると もう一人(羽) 指されたカバンには 緑鳥が無造作に詰められている 「篭脱けが迷ってやってくるのさ、ってね」 平坦な呟き [Verse 3] そこで気づく カバンがないことに 私のカバンはどこだ 持ち物は 時々持ち主を変える [Pre-Chorus 2] 「来たぞ!」 水鳥たちが 一斉に水面を打つ 上空に点 ただの点 [Chorus] 無数のハシビロコウが 同時に飛び立つ 現れたオオタカは 想像より小さく速い 落ちるより速く水平を走り マガモをさらっていく [Outro] 水面が静まる頃 ハシビロコウは いないことになっていた 木々は音を取り戻す 🦆🦆🦆🐓🦆🦆 ある平日、普段行かない里山公園を訪れた。 緑色の小鳥を横目に散策路を進むと湿地が広がっており、三脚の人々。 彼らは各々腰を掛け静かだった。 珍しい鳥でもいるのかと思い、一人に尋ねたところ、滅多にこないオオタカ待ちとのこと。 そしてカワセミのポケットアルバムを私に見せた。 午後になると光の関係で羽が緑がかるので青い宝石を撮るなら朝がよいとのこと。 緑色の鳥は外来種で人を恐れないので写真は撮りやすいと別の人物が説明を始めた。 銀河鉄道の夜に登場する「鳥狩り」をなぜか思い出していた。 その矢先、来たぞ!の声。にわかにその場の時間が動き出す。 不意にオオタカが水面すれすれを鋭くかすめ、マガモを一羽さらっていった。 シャッターが響く中、その場からそっと離れた。 湿地の外は日常だった。

