倒れた影に 手を伸ばし 冷えた身体を 起こした 塩の痛みが まだ残る 風の中で 息をした 希望のない 列の後ろで 何も持たずに 立っている 奪わない手が 世界を動かす 強さは 声を荒げない 選ばれなくても 立っている まだ何も 名乗らない 赤く光る 石の中 笑い声だけ 響いてる 焦げた匂いが まだ残る 消えない やわらかさ 焼かれても 挟まれても それでも 離さなかった 奪わない手が 世界を動かす 折れないのは 刃じゃない 失ったままの この場所で まだ静かに 立っている 暗い国で 試される 蛇の気配も 毒の夜も それでも ありのまま 背負って 歩き出す 奪わない手が 世界を動かす 刈り取るのは 力じゃない 倒れた者の 隣で立つ それが 私のかたち 名は あとからついてくる


