
[Verse 1] 雪を残した山あいを 鈍行列車が走ってゆく 「出張だから」と嘘をついて あなたは私の隣にいた 湯治宿の古い看板 硫黄の匂い 軋む廊下 誰にも言えない時間だけが 罪を静かに温めていた [Pre-Chorus] これで終わりと 胸の中 何度も唱えた 言葉にすれば 涙になって崩れてしまう [Chorus] 白い湯けむり 何も見えない あなたを忘れるために来たのに 重ねた鼓動は ほどけないまま 心だけ先に逃げられない 抱きしめられるたび 決意は雪より脆く溶ける 私は今日も 奈落へ 奈落へ堕ちてゆく [Verse 2] 囲炉裏の火が小さく揺れて 窓には冬の星明かり 「また来よう」 その一言が いちばん残酷だった 未来なんて 最初から無い恋だから 終わらせるのは 私しかいないと知っていた [Bridge] 夜明け前 あなたの寝息だけが 静かな部屋に流れていた 頬に残るあなたの指先を そっとほどいて ありがとうも さよならも 声にはできなかった 携帯の電源を落として 合鍵も写真も置いてゆく あなたの夢から 私だけ消えればいい [Last Chorus] 東北の朝は 涙まで白く染めてゆく 湯けむりの向こう あなたはまだ眠っている 振り返れば もう戻れなくなるから 雪を踏みしめ ひとり駅へ向かう 終わりにしようと決めた恋は 終わってくれないまま あなたを愛した 私だけが 奈落を胸に ただ歩いてゆく

