
『星を見る会』の番外編です。高校入学時、短パンと偶然再会した出来事をもとにしています。 思春期を迎えていた当時の私にとって、天文少女の過去は特級の禁忌のようなものでした。そのため、変わらない笑顔で近づいてきた短パンに対して、思わず距離を取ってしまいました。そして直後に、その再会の振る舞いを悔やみ、胸に小さな痛みを抱えることになります。 今回この番外編を制作するにあたり、当時の視点で作品を起こそうとしました。しかし、現在から振り返ると、抱えていた痛みの正体をはっきりと言語化することはできますが、当時の私の解像度ではその理由を明確に捉えることができなかったため、現在の視点も交えたものに途中で書き直しました。 あのときの痛みは、かつて記憶を共有した相手と再会しながらも、その過去を「なかったこと」として扱い、ゼロから関係を築き直そうとしたことによって生じたものでした。つまり、大切だった記憶の時間が現在へ影響を及ぼすことなく切り離され、ただの過去の1ページとして固定されてしまうことを恐れるがゆえの痛みだったのだと思います。 今にして思えば、簡単なことでした。本当は口にできたはずの共有していた出来事が、両者の配慮の中で封印されたままになってしまっただけなのだと思います。私からあの頃の話をすればよかっただけです。でも、当時の私には、それは分からなかったですね。 -Lyrics- [Intro] 幹の細い桜並木 履きなれない靴 三年間過ごす校舎の前に 立っていた [Verse 1] 一学年全員が並ぶ中 そこにいた ズボンは違うのに間違いない 記憶は簡単に立ち上がった 科学館の夜の屋上 反射望遠鏡 夜の草の匂いと流星群 土の中の石と土器の欠片 [Pre-Chorus] 触れていなかった場所が 勝手に開いていた [Verse 2] クラスに戻り 自己紹介 そこで気づいたようだった 覚えているかな 久しぶり 大人の周波数になっていた 共有した思い出を 差し出すみたいに立っている 浅い呼吸 一拍遅れて オウム返しの 久しぶり 私の声じゃなかった [Bridge] 成長した瞳が何かを見たように 曖昧な笑顔で背を向けた [Chorus] 新緑だった葉も赤く 散り始めるころ くん呼びの違和感は消えていた 隣を歩くこともあった でもあの頃はそこになかった 繰り返すたび色が抜け落ちた 大切だった映像はやがて時間を止め 小さな針の結晶となり 胸にそっと降りる [Outro] 駅までの道のりを並んで歩いても 星の話は出てこない 抜けることのない 一本の結晶の記憶

