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未読の街

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V5.5

ねえ ここにいるよ 人の流れに合わせて歩く 行き先なんてどこでもいい 同じ速度で紛れていれば 間違いじゃない気がしてた 名前を呼ばれない一日が 当たり前に終わっていく 存在のログも残らないまま 今日も更新されない 未読のまま 流れていく 私の時間 通知すら鳴らない現実 世界だけが既読 既読 つけて お願い ここにいるのに触れられない 雑踏の中で透けていく 声も体もノイズみたいに 処理されてる ねえ 一秒でいいから 私を残してよ 未読のままの存在なんて いないのと同じでしょ 横断歩道 同じ歩幅で 誰ともぶつからずにすり抜ける 避けられてるのか 最初から無いのか 視線が一度も止まらない 透明よりも軽い存在 息をしてるだけの音が やけにうるさい 誰かの記憶に触れたくて でも名前も知られなくて 「誰でもいいから見て」って それすら届かない 既読 つけて お願い 無かったことにしないでよ 触れられない距離じゃなくて 認識されないだけ ねえ 一瞬でいいから 私を刻んでよ スクロールされるだけの命 流さないで ねえ 私、消えてないよね? 音だけが残るみたいに 身体が遅れてついてくる このまま誰にも読まれずに 終わっていくの? 既読 既読 既読 既読 つけて お願い やっと誰かが振り向いた その一瞬だけ世界に 触れられた気がした …気がしただけだった 既読 つけて お願い 最後まで誰も読まなかった 未読のままの私は 最初からいなかった