
「しーっ……静かに」 「今夜はね、星がないしょ話(ばなし)をするの」 月のかけらを ひとつ拾って 銀の小瓶に しまったら 眠たい猫が あくびをひとつ 今夜の魔法が はじまるよ 青い水晶 覗き込めば 逆さまの星が 瞬いて まだ誰も知らない明日が 小さな声で 呼んでいる 運命の糸を たどっても 見つからないものがあるの 星の数だけ 未来があるなら ……ねえ、ちょっと素敵じゃない? きらり きらり 月の舟 夜の向こうへ 連れてって くるり くるり 星の輪が 秘密の扉を 開くころ キセキはきっと 気まぐれで 呼んでもすぐには 来ないけど あなたが明日を 願うなら 私も一緒に 祈ってあげる ……ふふっ、特別だよ? 金のカードを 並べたら 幸せの札(ふだ)は 逆さまで 黒猫がそっと 踏んだあと 知らない星が 瞬いた 「あれれ? こんなの初めて!」 千年昔の 占い書(しょ)にも 載っていない 不思議なこと 決められたはずの 明日さえ 変わることが あるのなら ……もう一度、占ってみよう? もしも星が 消える夜に あなたが道を なくしたら 月の光を ひとつ結んで 小さな目印に してあげる それでも迷ってしまったら 私のところへ おいでよ 未来は全部 見えなくたって 一緒に探せば いいんだから きらり きらり 月の舟 まだ見ぬ明日へ 漕ぎ出そう くるり くるり 星の輪が 新しい夜を 描いてく キセキはきっと 恥ずかしがり 見つめるほどに 隠れちゃう あなたが笑った その瞬間 水晶の中で 星が跳ねた ……あれ? これって もしかして キセキなのかな? 「明日の運勢は、まだ内緒」 「ふふっ、おやすみ」

