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遺物 01 《雨の夜の調律表》【Part 06】最後の調律とエンディング

[Voice: Gentle, comforting, signature podcast sign-off] 『……エコー。弦の調律は、終わったよ。狂いはどこにもない。いつでも弾きに帰っておいで』 認知症で全てを忘れていく恐怖の中で、父は毎日、心の中のピアノを調律し、娘の帰りを待っていたのです。 晴香さんはヘッドホンを握りしめ、涙を流しました。 形のない想いも、音だけは嘘をつかずに記憶しています。 今夜の『音の跡』は、ここまでにいたしましょう。 あなたの身の回りにも、再生を待つ古い記憶が眠っているかもしれません。 どうかあたたかくしてお休みください。 語り手は、陸奥巡でした。おやすみなさい。良い夢を。 [Fade out]