
バリグナーの2期、停戦から戦争再開までの「プロローグ」を考えたら全9節になってしまいました。 これ、9曲いるのかなぁ。 他の人飽きないかなぁ? 歌詞はストーリーの後に。 ギキューン🍜 ◆ プロローグ第1節 経済とは、血液のように市場を巡る金の流れで成り立っている。 その流れが速ければ活力となり、滞れば病巣となる。 需要と供給の均衡が崩れれば、 市場はたちまちインフレやデフレという熱病に侵され、 健全さを失っていく。 つい昨日まで──いや、去年までは、 市場はかつてないほどの活況に満ちていた。 帝国と地球連邦が互いに牙を剥き、 最大規模の“消費活動”が行われていたからだ。 言うまでもなく、 人類史上もっとも莫大な消費を生む行為とは、 戦争である。 戦争は何も生み出さない。 ただ、ひたすらに消費し続ける。 資源を、燃料を、兵器を、人材を── そして国家の未来さえも。 その底なしの消費を支え、 市場を潤わせていたのがクロウ・インダストリーズだった。 我々が兵器を生産し、 それを運ぶ物流網が動き、 雇用が生まれ、金が循環する。 市場は活性化し、 まるで巨大な心臓が鼓動するように、 経済は豊かさを取り戻していた。 だが、帝国と地球連邦の停戦調停が結ばれた瞬間、 その鼓動は急速に弱まり始めた。 「……そろそろ、あの好景気を呼び戻さねばならない」 ヴェルナー・クロウは、 まるで研究室で学生に講義する教授のような穏やかな口調で言い、 手元のカップを軽く傾けた。 深煎りのコーヒーの香りが、 静まり返った執務室に淡く広がる。 「お父様のおっしゃり様は、まるで小さな子供に言い聞かせているようですわ」 クラリス・クロウは、 父の横顔をからかうように微笑んだ。 その瞳には、 父の言葉の裏に潜む“本音”を探る鋭さが宿っている。 「私たちは兵器を売るのであって、 戦争の火種を売るわけではありませんことよ」 「もちろんだとも、クラリス」 ヴェルナーは静かに笑った。 「我々が直接戦争を始めるわけではない。 だが、帝国も地球連邦も、停戦したとはいえ互いを完全に信用しているわけではない。 わだかまり、疑心暗鬼、緊張── 銃弾一つで戦争が再燃することだってある」 「それが、両陣営に紛れ込んだ傭兵の銃弾であっても、ですわね?」 クラリスの言葉に、 ヴェルナーは満足げに頷いた。 「そうだ。 今まさに、両陣営には傭兵が入り込み、 我々の支援を受けたバリグナーが月の裏側を訪れている。 ……市場は、刺激を求めているのだよ」 「何か企んでおられますの?」 「私は何も企んでいないさ」 ヴェルナーはモニタに視線を戻した。 帝国と地球連邦の勢力圏を分ける赤いラインに、 いくつものマーカーが点滅している。 「ただ──市場がこの停戦に飽き始めている。 このいずれかで何かが起こっても、私は不思議に思わない。 それだけのことだよ」 そう言って、 ヴェルナー・クロウは静かに微笑んだ。 その微笑みは、 まるで“これから起こること”をすでに知っている者のものだった。 🍜🍜🍜🍜🍜🍜🍜🍜🍜🍜 The market flows like fading blood, its heartbeat slowing in the dark. Balance breaks and shadows rise, breathing softly where the light has gone. A fragile peace hangs in the night, so quiet it can freeze the future. Peace is only brittle glass— one touch and it will fall apart. And in the silence far below, someone watches with a smile. Knowing chaos moves the world, waiting for the spark to come alive. The ashes of a dying war still warm the corners of this world. Prosperity built on empty needs, a hollow glow that slowly fades. The shadow of the truce grows long, rusted gears begin to strain. This quiet is no gentle rest— just the breath before the storm. And in the stillness deep within, someone weighs the coming dawn. Seeing through the broken balance, waiting for a new flame to ignite.

