夜明け前 君の横顔に 昨日はなかった線を見つけた 指でなぞれば 君は笑って 「見ないで」と 僕の手を払う その仕草さえ いつか消えるなら 今夜の君を 深く沈めておこう MORTAL もっと老いてくれ 僕の知らない顔になるまで MORTAL その美しさを壊してくれ 永遠にはできない傷を 僕に見せてくれ 鏡の前 白い髪を 一本つまんで 君はため息 抜こうとする指を止めながら 僕は少しだけ 嬉しくなった またひとつ 死に近づいた そんな君が 愛しいと思った 最低だろう? MORTAL その皺を隠さないで 僕には刻めない時間だから MORTAL 痩せた指も 濁った瞳も 最後まで全部 僕だけに見せてくれ 胸に耳をあてる THUMP THUMP なんて脆い音だ この首筋に 牙を沈めれば 君を僕と同じ 化け物にもできる でも それじゃ意味がない 僕が愛したのは 死ねる君だから ああ—— MORTAL 僕は君を救わない 永遠なんて 君には似合わない MORTAL 僕の腕の中で老いてくれ 昨日の君を殺しながら 明日の君になってくれ やがて僕の名前を忘れ この顔さえ分からなくなって それでも僕は 君が忘れた君まで 覚えている 最後の鼓動を この耳で数える ひとつ ひとつ 静かになった君は 生まれて初めて 僕より美しかった MORTAL 朝が来る 君はもう 光を怖がらなくていい 僕だけがまた 夜へ戻る