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宮沢賢治「星めぐりの歌」

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V5.5

星めぐりの歌 あかいめだまの さそり ひろげた鷲の つばさ あをいめだまの 小いぬ、 ひかりのへびの とぐろ。 オリオンは高く うたひ つゆとしもとを おとす、 アンドロメダの くもは さかなのくちの かたち。 大ぐまのあしを きたに 五つのばした ところ。 小熊のひたいの うへは そらのめぐりの めあて。 Ⅰ(入景) あかい さそりは ちいさく 生きて あかい さそりは ひとり ゆく (*沈黙) Ⅱ(問い) どうして あんなに いそいで 行くのか だれも 呼ばない 道なのに Ⅲ(核心・原文の言葉をそのまま) どうして ぼくは こんなに からだが あかいんだろう それは おまえが たべた いのちが あかいからだ (*同音で静かに) Ⅳ(理解) あかい あかさは 罪ではない 記憶だ いのちは つながり 色を 残す Ⅴ(行為) あかい さそりは だまって 身を なげる ほかの いのちの ために (*ブレスだけ) Ⅵ(原文フレーズの反復) ぼくは みんなの しあわせのために 死んだんだ みんなの しあわせのために (*二度目は弱く) 終(沈黙へ) あかい さそりは もう いない けれど その あかさは 世界に 残る (完全沈黙)