
夕暮れの町に 風が吹く 壊れた屋根にも 月が出る 昨日の涙を 袖で拭き 明日の話を しようじゃないか 古びた窓辺に 干されたランジェリー 誰にも見せない 心のほころび 貧しい暮らしも 悲しい別れも 明日の陽射しに 乾かしてゆこう 米びつの音も 少ないけれど 笑えば心に 灯がともる 遠くの汽笛が 夜を越えて 「明日はきっと」と 呼んでいる 明日になれば 花が咲く 明日になれば 空も晴れる 失くしたものは 戻らない それでも僕らは 歩いてゆく ランジェリー一枚 風に揺れている 小さな暮らしの 小さな旗のように 今日まで生きた この身体 明日の光を 待っている 明日になれば 春が来る 明日になれば 歌も生まれる 苦しい時代を 越えながら 僕らは静かに 生きてゆく


