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130万円の夜明け

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V4.5-ALL

[Verse 1] 朝の電車に揺られながら 今日も時給を指で数える 棚に並べた缶詰の数 壁に近づく 足音がする 扶養の傘は温かくて でもその縁(ふち)は 刃(やいば)のよう あと少し、あと少しだけ 踏み越えたら 全部消える [Pre-Chorus] 繁忙期(はんぼうき)の電話が鳴る 「明日も来れる?」声が聞こえる でも計算機を叩いたら 笑顔が 凍りついた [Chorus] 働けば働くほど 手取りが減る これが現実だと 誰が決めたんだろう 善意で動いたら 損をする世界 おかしいと気づいても ひとりでは変えられない [Verse 2] シフト表(ひょう)の空欄(くうらん)を見つめ 「ここは入れません」と断った 隣の同僚が首を傾げる 「なんで?」と聞かれても 説明できない 130(ひゃくさんじゅう)という数字が 見えない柵になって立ちはだかる 合理的に生きているのに どこかで 人らしさを削っていく [Pre-Chorus] それでも春がまた来る 制度が少しだけ 動き出した 契約書に刻まれた言葉が あなたを守る 盾になる [Chorus] 働けば働くほど 手取りが減る その逆転(ぎゃくてん)が ようやく見直される 残業代は 壁の外へ出た おそるおそる 伸ばした手が 届く気がした [Bridge] 予測できる未来があれば 人は動き出せると 知っている 不確かさが 行動を縛っていた その鎖の名前を ようやく呼べた 「社会通念上妥当な範囲」—— 曖昧な言葉は まだそこにある でも方向は 確かに変わった 知っている人だけが 先へ行ける 制度に振り回されるな 使いこなす側に 立ちなさい 怯えながら生きるより 理解した上で 踏み出しなさい [Final Chorus] 働けば働くほど 未来が開く そんな当たり前を 取り戻す途中 壁は形を変えて まだ立っている でも今日の私は 少し違う 扶養の傘の 外に出ても 自分の足で 立てる日が来る 制度を知れば 選択肢が増える 130万円の 夜が明ける [Outro] 朝の電車に揺られながら 今日は少しだけ 背筋を伸ばす 壁はまだそこに あるけれど その形が—— 変わりはじめた