縁側を抜ける ぬるい風の匂い 風鈴は音を鳴らすためじゃなく 風を見せてくれる 雲は急がないのに ボクらだけ急いでた 蝉は明日を知らないまま 今日を鳴ききる 夕立が通り過ぎるたび 街は少し息をつく 雨は流すんじゃなく 土へ返してくれる だから昨日の迷いも いつか花になるのかもしれない 夏は短いって 誰が決めたんだろう 一瞬でも 心に残れば永遠になる 風は見えないのに 葉っぱは踊る 見えないものほど ボクらを動かしている 今日という季節を 明日へ渡していこう 裸足のままで 冷たい川へ降りれば 流れる水は 誰も責めたりしない 花火は消えるから きれいなんじゃなくて 消えたあとも 夜空を思い出せるから 夏は終わるから 愛しいんじゃなくて 冬の風にも あの日の匂いが残るから 残るから 星は届かないのに 光は迷わない ボクらもきっと 急がなくていい 答えを探すより 問いを抱いて歩こう 風は名前を残さない それでも森を育てていく 育てていく 夏が過ぎても 歌は風になる 名前を忘れても 想いは胸に還る 笑った日も 泣いた夜も 全部抱いたまま 季節は巡っていく だから今日を ちゃんと生きよう 風鈴が揺れるたび ああ、夏だったね。 そう笑える未来へ また、夏が来る。