あける あける あける 闇のむこうにあるが 光ではない 病みのむこうにあるが 生ではない 開け放つ扉のむこうにいるは 誰でもない こころの からだの 中心に据えるもの 錆はてて 朽ちる 寸前で 古びたあれ あけて あけて あけわたさない 冷たい空気に吐息はしろい わたしの指はつめたい しろい 錆はてて 軋みながら こぼしながら 奥まで 凍えて 泣きそうだけれど あけて とじないで ないて 朽ちようと あける あける あける 闇のむこうに 生きる道はなくとも 病みのむこうに救いがなくとも 開け放つ扉は わたしがこの手で放ち こころが からだが 傾いて落ちようと 錆はてて 朽ちて終わる 骨と皮だけでも あける あけて あけて あけなくても 冷たい夜は闇でしろく 息は熱をのせて遠くへ わたしの指はうしなって しろい あけない あけるはず あけなくても 向こう 開け 放て 閉じるな あけて あけなくても あかなくても 先へ