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ハロルドにばれた!

突然庭園がぱっと光り輝き、ゆりはぎょっとそちらを見た。 輝きは一人の男の姿に変わった。ゆりはその男を見てあごが外れそうなほど口をあけた。 は・・・・ハロルドー!!!! 木の横に立っていたのは、軍神ハロルドだった。金色の髪、鋭い眼光、少し日に焼けた肌、どっからどう見てもハロルドだ。 服装も神の国で会うのと同じだ。 なんでこんな所にハロルドが?私に用、なわけないよね。素知らぬ顔で通り過ぎよう。 ゆりは横を向いてさーと違う方向に行こうとした。 「おい、お前見えてるだろ。わざとらしく通り過ぎるんじゃない」 声が聞こえてゆりはぎょっとした。がそのまま行こうとした。 すると今度は目の前にハロルドがいてゆりは足を止めた。 「ちゃんと聞こえてるだろ?」 「・・・・あの・・・どちら様でしょうか?」 ゆりはぎこちなく聞いた。 「私がわからないって言うのか?」 ハロルドは鋭い瞳を向けていた。 「・・・もしや、あの有名な軍神ハロルド様でしょうか?」 「ああ、その通り」 「どうりで、噂通りの男前の神様でございますね。それでは私はこれで」 回れ右したゆりの身体がぴたっと止まっていた。 「お前、時々ガーベラに入ってたんだろう?」 背中から聞こえたハロルドの言葉にゆりはぎょぎょっと目を見開いた。 「え?な、何のことでしょう???ガーベラ様がどうしましたって?」 「あのな・・・人間が神に嘘を付くってのは重罪だって知ってるのか?」 「え?」 「神をだますことも重罪だ。お前は二重の罪があるわけだ。はりつけにされても文句も言えないな」 はりつけー!!?? 「串刺しの方がいいか?」 串刺しー!!!?? 考えただけでいやー!!! ハロルド、私がガーベラに入ったこと知ってる!?なんで?どうしてばれたんだろう。 ゆりの背中はびっしょり汗をかいていた。ハロルドはゆりの横に移動している。視線が怖い。 ハロルド睨んだらむちゃくちゃ怖いです・・・・ ゆりはどうすればいいのかわからず途方にくれた。 ここは謝るしかない! 「ごめんなさい。許してください。悪気は全然なかったんです」 ゆりは早口で言った。 「だましたのは悪かったけど・・・でも・・・そんなに悪いことはしてないし・・・」 ハロルドは鋭い眼光を向けている。 「すいません。アリアスにもらったオレンジこっちに持ってきちゃいました」 ゆりはあわてて言った。 「それからお酒も一本もってきちゃったかも・・・ごめんなさい。その前にもえーと、桃もってきちゃったっけ。でもあれはわざとじゃないのよ。 気づいたらこっちもってきちゃってて・・・」 ハロルドははーとため息をついた。 「さっき近くで天馬を見た。あれもらったのはお前の時だったのか」 「大きくなったでしょ?」 ゆりがかわいらしく言ってみるとまた睨まれた。 「そんなに怒らないでよ。子供産まれてむちゃくちゃ喜んでたくせに・・・」 ゆりは口を尖らせて言った。 「ガーベラでもきっと産まれてた」 「そーですか。何よ。全然気づかなかったくせに」 ボソッと言うと、ハロルドの眉間にしわがよった。どうやら禁句だったようだ。 「ここには私をはりつけにするために拉致しに来たの?」 「そうだったらどうする?」 ハロルドは胸の前で腕を組んでいた。 「裁判を要求する。私は自分の無実を訴える。神の国に裁判官とかいる?有能な弁護士用意しなきゃ・・・」 「もーいい。お前、子供はいるのか?」 ハロルドががらりと話題を変えた。 「いません」 ゆりは即答した。 「そうか。残念だな。せっかく私の加護を与えてやろうと思ったのに・・・」 ハロルドは横を向いて頭をかいた。 「え?加護?何それ・・・」 ゆりは目を丸くした。 「不本意だが、お前に愛してるといってしまったからには、お前に何かしてやらねばならない。やらねばならないということはないが、 神ってのはそういうもんだ。」 「はあ・・・さっきのはりつけの話は?」 「あれは冗談だ。だがアシュランの怒りをかって実際に罰を受けた人間もいるんだからな。お前に加護を与えてもいいが・・・ もったいないな。どうせなら子供の方がよかったんだが」 「5人います」 ゆりはハロルドの腕をつかんでいた。 「ご・・・5人?」 「はい」 ゆりはにっこり笑った。 「お前な・・・さっきはいないと言っただろ!神に嘘をつくのは大罪だと教えたばかりだろうが!」 「ごめんなさい。すっかり何かされるかと思ったから・・・」 ゆりはしょんぼり縮こまった。 「加護を与えるのは一人だけだ。今夜日が変わる頃、ここに子供を連れてこい」 「5人・・・・」 「一人だけだ」 「はーい」 これ以上言っても無理のようだ。 「全く・・・どんな美女にお目にかかれるのかと思えば・・・ガーベラとは似てもにつかないとは・・・」 ハロルドは横を向いてぼそっと言った。 「何かおっしゃいました?」 「ガーベラに外見は全然似てないと言ったんだ」 ハロルドはゆりに顔を寄せて言った。 「でも性格は似てる?」 ゆりは負けずに言った。今更そんなセリフにはへこたれない。 「全くどうなってるんだ・・・じゃあ今夜な」 ハロルドは頭をかいて消えた。