白く煙る 朝の光 土埃の 坂道をゆく まだ眠る 鉄のシャッター スパイスの香りが 通りをゆく 履き古した 革のサンダル 乾いた風が 素足を撫でる 靴底に残る 砂の粒 今日も街が 息を吹き返す 色とりどりの 布の波 風に揺られて 影を重ねる 遠く響く 誰かの声 幾千の足音が 交差する めくるめく 眩暈のような光のなか ただ無心に 今日を織り上げる ざわめきの うねりに身を委ねて 命は乾いた 土の上で踊る きらめく塵さえ 愛おしくて この胸を焦がす 熱を抱いて歩く 陽が真上に のぼる頃 真鍮の鍋が 光を返す すれ違う 横顔の向こう 果てなく広がる 群青の空 スパイスの香りが 濃くなり 雑踏の波が 足元をかすめる すり減った壁の 落書きに 見知らぬ誰かの 温もりを探す 積み上げられた 果実の色 時の重みを 静かに告げる 懐かしい響きが 混ざり合い 名もなき歌が 空に溶けてゆく めくるめく 眩暈のような光のなか ただ無心に 今日を織り上げる ざわめきの うねりに身を委ねて 命は乾いた 土の上で踊る きらめく塵さえ 愛おしくて この胸を焦がす 熱を抱いて歩く 幾千の影が 交差する場所 誰もが明日の 風を待っている 言葉はなくとも 手と手が触れ 同じ時間を ただ生きている めくるめく 眩暈のような光のなか ただ無心に 今日を織り上げる ざわめきの うねりに身を委ねて 命は乾いた 土の上で踊る きらめく塵さえ 愛おしくて この胸を焦がす 熱を抱いて歩く 夕暮れが 茜に染まる頃 ざわめきは 静かに溶けてゆく 明日へと続く 足跡を残し キナリの市場は 静寂に眠る