[Verse 1] 七時 よん・じゅう・に・ふん 三両目のいちばん後ろ 鞄を胸に抱えたまま 窓の外を見ていた人 雨の日は左手に傘 眠い朝にはひと駅だけ目を閉じる 知っているのはそれくらい 名前は知らない [Pre-Chorus] いつもの場所に 誰もいなかった 電車は何も知らずに 次の駅へ走った [Chorus] 思い出になるほど知らない人を どうして僕は思い出すんだろう 声も名前も知らないくせに いないことだけ よく分かる 三両目のドアが開くたび 一度だけ顔を上げてしまう 待ち合わせなんてしてないのに 今日も少しだけ待っている [Interlude - 8 bars] [Verse 2] 一週間 その次の月曜 同じ時刻にベルが鳴る 広告がひとつ替わったことに 誰も気づかず乗り込んでゆく 似たコートを見つけるたび 顔を見る癖だけ残った 会いたいのかと聞かれたら たぶん それとは少し違う [Pre-Chorus] 昨日と同じ朝は ちゃんと来ている ひとつ足りないだけで こんなに広かったっけ [Chorus] 思い出になるほど知らない人を どうして僕は探してるんだろう 約束ひとつしてない僕には 待つ理由さえないというのに 三両目のドアが閉じるたび 知らないままで遠くなる さよならさえ言えないんじゃなく 言うほど僕らは知らなかった [Interlude - 8 bars] [Bridge] もし明日 僕がここにいなかったら 誰かひとりくらい 顔を上げるだろうか そう思って見渡したら 名前も知らない人ばかりだった [Final Chorus] 思い出になるほど知らない人を 僕は今日も覚えている 声も名前も知らないままで 僕の朝には 確かにいた 三両目のドアが開いた時 知らない誰かと目が合った その人が少し目を逸らしたから 僕も少しだけ目を逸らした 僕らはたぶん知らないうちに 誰かの「いつも」になっている [Outro] しちじ よん・じゅう・に・ふん いつものドアが開く 今日も 知らない人がいる