
窓辺の上映会 🎫 細める目 手をかざす 木漏れ日 新緑の並木 賑わいが広がる 新歓のキャンパス 見知った顔も 浮き足だった 部室棟 きれいに重なる段ボール 舞台の足跡がまだ残る部室 私は 先輩のまりちゃんと 留守番だ 扉の向こうで 声が通りすぎる イスにもたれて 無言の画像交換 小さなまりちゃん 画面の中で くねくねダンス 声を我慢して とっておきの 自撮りを送る 吹き出す まりちゃん 私の勝利が確定した 待ち疲れの午後 扉の向こうで 声が止まった 軽やかに走る 部長のまりちゃん 扉を開ける 引っ張るように 窓辺に案内 先輩たちの りんごのクッション 紅茶を注いで ブルボンを開ける まりちゃんが 足をぶら下げ 話しかける 小袋を縦にさいて 口に放り込む 日景さん 双葉さんは カップを握って ちらちら周りを見ている おもむろに交換画像を 差し出すまりちゃん 慌てる私 くすくす揺れる 双葉さんの黒い髪 リンゴの匂い 紅茶のおかわり 空っぽの菓子の小袋 赤みがかってきた 窓に 今が映っている 夏の合宿 秋の講演 商店街のネコ これまでの風景 これからの風景 リンゴ色したスクリーン 四人だけの にぎやかな上映会 斜めになった窓辺の光 二人の髪を照らしている 去年の私も隣で笑っていた

