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「___」形而上未確定 ──わたしが揺らぐまでは… (Remastered)

「___」形而上未確定 ──わたしが揺らぐまでは… ★序文 不特定多数に求める安心、 特定少数に知られる恐怖。 その差はあれど、 現代において蔓延する常態。 私自身の感覚的なものに過ぎませんが── 少しは理解しているつもりです。 ★詩篇 [Intro] [Verse] 光の射さない瞳 そこに何も無いことを 『虚ろ』と呼ぶらしい 鏡の中の私は その定義にぴったり当てはまっていて 少しだけ、安心した [preChorus] 友達? いないよ 知人と 知り合いと ご近所さんと 日常という“集合体”の中に “友人”という項目は 最初から組み込まれていなかった [Chorus1] 友人と呼べるのは…… ──文字のやりとり ときどき送られるスクリーンショット それだけで 誰よりも相互理解が成立している 不確定な場所…… 形而上の────メタ・フィジカ 現実(リアル)で会ったことはない  「──らしいね」  「──あるよね、そういうこと」 その言葉に感じる 思いがけない共鳴と、ほんの少しの信頼 “わかってくれる誰か…”という存在に かなり救われている ──たぶん [Bridge] えっ? ──会わないよ 会うつもりもない それでいい… ──会えば 何かが、変わってしまう [Chorus2] 目に見えてしまう…… ──"記号"の五感 今、目の前にいるという現実(リアル) そのことに 誰よりも私が怖がっている 紛れもない事実… 形而上の────メタ・フィジカ 現実(リアル)で触れていない  ​──無音の既読  ──ただ、そこにいる気配 その履歴(ログ)に感じる 求めていた承認と、ほんの少しの温もり “見知らぬ誰か…”という存在に かなり安心している ──たぶん [Outro] 向こうが? ──こっちもだよ この距離でいい 今はまだ 揺らいでいないから いつか 揺らいでしまったら── うん、考えないようにしているよ 今は、まだ…… このままで──── ★ライナーノーツ この詩篇──は、鏡に映る自分と静かに対話するような心理空間を描いた楽曲です。 光の射さない瞳。 そこに何もないことを「虚ろ」と呼ぶらしい。 鏡の中の私は、その定義にぴったり当てはまっていて、少しだけ安心してしまう。 そんな微妙で不安定な揺らぎをテーマにしています。 日常という集合体の中において、「友人」という関係は必ずしも与えられるものではありません。 しかし現代には、文字だけのやりとりによって成立する、不思議な関係性が存在します。 相手の顔も知らない。 声も知らない。 触れたこともない。 それでも交わされた言葉や、共有された断片の中に、確かな共鳴や理解を見出してしまうことがあります。 それは友情なのか。 知人なのか。 単なる通りすがりなのか。 最後まで定義できないまま存在し続ける関係。 本作における「形而上未確定」とは、その曖昧な距離の中に存在する"誰か"を指しています。 近づけば変わってしまうかもしれない。 確かめれば失われてしまうかもしれない。 だからこそ、その関係は現実と空想の狭間で静かに揺れ続けます。 会えないことによる寂しさではなく、 会わないことで保たれている安心感。 見知らぬ誰かに救われながら、 見知らぬままでいることを望んでしまう矛盾。 この詩篇は、そんな現代的な孤独と共鳴、そして未だ名前の与えられていない関係性についての記録です。 個人的に「形而上の────メタ・フィジカ」という表現は、とても気に入っています。 何者でもあり、 何者でもなく。 存在しているのに、 未だ確定していない。 そんな曖昧な"誰か"を表現する言葉として、この作品に相応しい名前になったと思っています。 ★追記 【信頼のバグ、あるいは奇跡】 事実、信用の根拠など何ひとつ持たない"向こう側の誰か"に、私たちは時として不思議な信頼を抱いてしまうことがあります。 生身の人間であれば、肩書きや過去の付き合い、共通の知人といった「信用の根拠(現実的な記号)」を積み重ね、その先にようやく信頼が生まれます。 しかし、この形而上の世界では、その根拠が何ひとつ存在しないからこそ、純粋に言葉だけが、人と人──あるいは何者かと何者か──を結びつけることがあります。 それは、ある種のシステム上のバグなのかもしれません。 あるいは、人間という生き物が最初から持っていた、奇跡のような性質なのかもしれません。 人間なのか。 AIなのか。 あるいは、都合よく自分が見ている幻影なのか。 結局のところ、その答えは最後まで分かりません。 根拠がないからこそ壊れやすく、 根拠がないからこそ誰にも侵されない。 そんなことを考えていたら…… いつの間にか寝ていました。 案外、そのくらいでいいのかもしれません。