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ダイジなもの(Shu meets Silka)

いつだって先に笑うくせに 改札の手前だけ 歩幅が落ちる どうでもいい話を ひとつ足して 行かない理由を また作る 手を振ったあと 振り向けば まだそこに立ってる 気づかないふりは もう飽きた その横顔だけが 残る まだ九時前 コーヒーは半分 いつもより少し早く 椅子から腰を上げる 一歩 ドアへ向かったところで 背中に落ちた いつもより低い声 振り返ったら 目を逸らすくせに 今日は笑って ごまかさない 手にしようとした 上着はそのまま 聞き返す代わりに 座り直した ――やっぱりな そこから先は いつもと同じ くだらない話で また笑う 言いかけて止めるたびに どうでもいい話が また増える ソファの端の ひとり分が いつの間にか 半分になってる 窓の外が暗くなるほど 伏せた時計を 見なくなった 二杯目まで すっかり冷めて 言葉のあとに 視線が残る 一歩 こっちへ寄るたびに 言いかけた声が また止まる 目が合えば 逸らすくせに 今日はそこから 逃げない 伏せた時計は そのまま 冷めたカップも テーブルへ 聞き返す代わりに 待っていた ――このままでいい 強気な声の すぐあとに いつも残る 短い沈黙 今日は笑って埋めないまま 背中を向けて 息を吐く その一言を 聞き終わるまで 俺は何も言わなかった 一歩 その背中まで来たところで 肩が ほんの少し揺れる 振り返らずに そこにいるなら 今度は俺も ごまかさない 空けたひとり分を なくすように 後ろから 腕をまわす 驚いた肩が ほどけるまで ――やっと言ったな 伏せた時計は そのままで カギはまだ テーブルの上 明日はきっと また先に笑うんだろう