退屈な音 染み着いた街 昼間の光も 擦り切れて 変わらない 日々の隅っこ 路上の石ころ つま先で蹴った 何か何処かで 聞こえたんだ 小さな音色 ただ 一つ 生まれ ただ消える音じゃなく 僕の音色が 欲しかった 消えそうな音を 掻き集め 繋ぎ止める 言葉を紡いだ 僕の歌 響け空へ かき消される声 繋ぎ止めて 魔法でも 構わない この音色よ 届いた心に響け 不意に見つけた 壊れた歌 掌に乗せた その時に 触れると生まれた 魔法の音色 涙が 何故か零れ落ちた 音は応えるように響く 僕の中の言葉を奏でる 一人だったはずの世界が 魔法に優しく飲み込まれる この音色は 僕の声 ひとつ またひとつ 音が繋がる 僕の歌 世界を包め 人々は音を浴びて叫んだ スポットライトと 喝采の中 少年は 戸惑い立ち尽くしていた 「これは 本当に僕の音?」 少年は そっと声を潜めた 本当の僕を 見つけたくて 黄昏に包まれ 捨てたその魔法 不器用な言葉 ありきたりなリズム 今僕が 選び取ったもの そうだ これが僕の歌だった ぎこちなく奏でる 指先が震える 歪んだ五線譜 僕の証 僕の歌 僕の歌 響け空へ ヘタクソでも 確かにここに 誰にも届かずとも それで構わない この音色こそ 欲しかったメロディー 望んでいたメロディー 僕だけのメロディー スポットライトも歓声も消えた 染み着いた街 変わらない響き 捨てた魔法が そっと微笑んだ ただ 愛しいリズム 幸せなリズム ありきたりなリズム つま先で刻んだ