
悪代官: ほう……これはこれは葵家のご落胤。 風聞ほどには威かではないな。 この屋敷に足を踏み入れた時点で、貴様の首は飛んでおるわ。 葵新九郎: 威かどうかなど、風が決めること。 だが……その風が、今夜は貴殿を裁くようだ。 悪代官: 裁く? 面白い。百姓の泣き言で、わしを斬るつもりか? 世は銭と力のもの。正義など、所詮は口上よ。 葵新九郎: 正義を語る気はない。 だが──弱き者を食らう者は、風の前に立てぬ。 悪代官: ふん、風ごときがこのわしに刃向かうか! 葵新九郎: ……ならば確かめてみるがよい。 この風が、どれほど冷たいかを。 悪代官: 田舎侍ふぜいが、くだらん! 曲者じゃ!であえぃ!であえぃ!

