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流星 -Passing Meteor-

V5.5

二十数年ぶりだと 画面の向こうで誰かが言った 忘れていた名前が 星より先に浮かんだ 今夜 あの光がまた降るらしい 毛布を引きずって 眠った町を抜け出した 草の匂い ぬるい風 鳴りやまない夏の虫 古い星座盤よりも 君の指のほうが早くて あれが最初のひとつだ と 知らない星を指して笑った 次にこの空が降る夜も またここで見ようと言った 今日までの時間を あの頃の僕らは知らなかった ねえ 君もどこかで見ていますか あの日と同じ流星群を 夜を流れてゆく光が 閉じた記憶を紐解いて 名前も知らない未来まで 二人で行けると思っていた 今夜 空を渡る星に 遠い約束を重ねている 流れて 流れた あの夏を通り過ぎて 今でもまだ 消えない光 星の距離なら 今はあの頃より知っている 叶わない願いもあること 時間が戻らないことも いくつの街を越えただろう いくつの夜を見送ったろう 君のいないこの場所で 同じ空だけが続いている 次に見る時は大人だねと 意味も知らず笑っていた 大人になった僕らは今 どんな顔で空を見上げてる? ねえ 君は覚えていますか 星の名前を間違えた夜 世界の果てまで見えると 本気で信じていたこと 遠く離れた今日までを 光は静かに越えてきた 今夜 空を流れるたび 君の笑い声がよみがえる せわしい日々に追われて 声の高さも シャツの色も 少しずつ曖昧になる 丘へ続いた 細い道も 遠い記憶に掠れている それでも 最初の星を見つけた瞬間 君が息を呑んだこと 願いごとさえ忘れたまま 二人で空を見ていたこと それだけは ノイズの向こうで 今も鮮やかに瞬いている Ah— 流れてゆく 流れてゆく 夜を越えて Ah— 戻れなくても 消えはしない あの光は ねえ 君がどこかで見ているなら 今夜は同じ空の下だ 違う時間を生きていても 星は等しく降り注ぐ 流れて 流れた もうあの夏には戻れない だから今を歩いてゆく あの日 僕らが見つけた光は ずっと心に煌めいてた 流れ 流れて 流れた ねえ 君が忘れていたとしても あの夜は消えたりしない 遠い約束を追い越して 僕らは明日へ走ってゆく 次に巡るその日まで 僕らはそれぞれの空をゆく